2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゴマタンパク質および糖質の加熱による変化がゴマペーストの物性に及ぼす影響
Project/Area Number |
14580169
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Research Institution | St. Catherine University Junior College |
Principal Investigator |
武田 珠美 聖カタリナ女子短期大学, 健康栄養学科, 教授 (80149781)
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Keywords | ゴマ種子 / ゴマペースト / 流動特性 |
Research Abstract |
ゴマ種子のタンパク質および糖質の加熱変化が物性にどのような影響を及ぼすかについて現象面における検討を行った。 1.ゴマペーストの流動特性に及ぼす加熱の影響 ゴマ種子の焙煎条件を170℃、200℃、および230℃で各10分間とした。未加熱のゴマ種子も対照として試料とした。これらの試料を電動磨砕機により40回/分で20分間磨砕してゴマペーストを調製した。コーン・プレート型粘度計(東機産業TV-20)によるずり履歴流動を測定した。その結果、加熱温度が高いほど粘度は高くなったが、チクソトロピーは200℃試料で増大し、230℃で減少する傾向がみられた。一方未加熱のゴマペースト試料は、非常に塑性が大きく、加熱試料とは異なる挙動を示した。この原因として加熱により組織が脆弱化し、磨砕により細粉化がすすむことが考えられた。しかし、200℃でチクソトロピーが増大することから成分間の相互作用が存在することが確認された。 2.ゴマペーストに加水した系 ゴマペーストに12.5〜100%の水量を混合するといずれも流動特性の測定は困難であったため、硬さや付着性の測定を行った。焙煎条件による差はほとんど認められなかった。 3.顕微鏡観察と画像解析 1および2の原因解明手段としてのペーストや加水系の組織観察は、鮮明度不足で画像解析もばらつきがみられた。さらに検討を続ける予定である。 4.ゴマソースの凝固現象 しょうゆあるいは食塩が共存すると加熱凝固をすること、ペクチナーゼあるいはプロテアーゼが共に凝固を抑制することが認められた。すなわち糖、タンパク質両者がゴマソースの加熱凝固に関与していることが示唆された。
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