2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゴマタンパク質および糖質の加熱による変化がゴマペーストの物性に及ぼす影響
Project/Area Number |
14580169
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Research Institution | St.Catherine Junior College |
Principal Investigator |
武田 珠美 聖カタリナ女子短期大学, 健康栄養学科, 教授 (80149781)
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Keywords | ゴマ種子 / ゴマペースト / 物性 / ゴマ |
Research Abstract |
タンパク質量の加熱による変化は認められず、遊離アミノ酸量は170℃では15分以上、200℃および230℃では6分以上の加熱により半減以上変化した。還元糖は同様の減少を示し、メイラード反応の進行が確認された。他の水溶性糖質も高温長時間の加熱になるほど減少する傾向がみられ、カラメル化合物の生成が推測された。これらの反応性の高い化合物等の糖質およびタンパク質がゴマペーストとその製品の物性に及ぼす影響を検討した。 1.ゴマ種子の倍煎条件を170℃、200℃および230℃で各10分間とした。電動磨砕機により40回/分で20分間磨砕したゴマペーストを調製しずり履歴流動を測定したが、加熱による組織の脆弱化への影響が大きく、加熱自体の影響を把握することができなかった。 2.そこでモデル実験を行った。加熱ゴマ種子からタンパク質を抽出する溶媒を検討したが、タンパク質を変性させずに抽出できる適切な溶媒を見い出せなかった。やむを得なく、未加熱のゴマ種子から、10%NaClにより13Sグロブリン等を抽出し、その残滓とも53μm未満の粒度画分を試料とした。これを200℃10分間加熱して油を混合したモデルゴマの粘度は加熱により高くなり、保油性が向上することがわかった。この程度はタンパク質よりも残滓試料の方が大きく、10%NaClにより抽出されなかった糖質の影響によるものと推察している。 3.このことは、ゴマペーストに加水した系においても認められた。ショ糖、塩化ナトリウムおよび水を添加して加熱すると、予め加熱した試料は未加熱試料よりも硬くゲル化した。加水により遊離の油は吸水した固形成分中に分散する土とを確認し、その固形成分間の相互作用によるものと考えちれる。ペーストに添加したショ糖量の増加とともに硬さは低下することから、さらに高分子の糖質およびタンパク質の両者が関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)