2003 Fiscal Year Annual Research Report
プラント・オパール分析による焼畑跡地探査に関する実証的研究
Project/Area Number |
14580173
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Research Institution | Oita Junior College |
Principal Investigator |
佐々木 章 大分短期大学, 園芸学科, 教授 (60105210)
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Keywords | 焼畑跡地 / プラント・オパール分析 / C14年代測定測定 / 土壌の養分 / 可給態チッソ |
Research Abstract |
昨年度に焼いてソバを栽培した焼畑地で、今年度ヒエを栽培したのちに養分分析をおこなったところ、各種養分はほとんど減少していない。特に可給態チッソでは火入れ直後の23mg/100gから28mg/100gへと、かえって増加していることが示唆された。これは灰によるpHの上昇、土壌の乾燥化などの原因で未分解有機物が分解をうけて、可給態に変化したためだと思われる。この結果が普遍的なものであれば、興味深い。注意深く調査を続行する必要がある。 土壌断面を観察した結果によると、表層10cmは多量の有機物を含む黒褐色層で、15cmでは色は同じだが鉱物が多くなり、25cmでは黒褐色層で角礫を含むようになる。45cmまでは角礫の多い暗褐色土層で、65cmでは褐色の角礫層、85cmでは角礫を含む褐色層である。 プラント・オパール分析の結果、25cmまでの黒褐色層にはタケ亜科の機動細胞プラント・オパールが非常に多い。45cmまでの黒褐色層もタケ亜科が多いが、それ以下の褐色土層では少ない。いずれもヒエなど栽培植物のプラント・オパールは今のところ未検出である。なお、褐色土層は板状・発泡状の火山ガラスが非常に多く、アカホヤ層と推測される。 土壌有機物をC14分析したところ、10cmまでの2点はいずれもmodern、10〜35cmの3点は上から順に490±40,520±40,530±40BP、45cmの暗褐色層で840±40BPであった。 今までのところ、焼畑地土壌だけの特徴は明らかでないが、タケ亜科が多いことは人手が加わったことを意味している。
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