2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14580175
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
寺嵜 弘康 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (80250231)
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Keywords | 文化財保護 / 史蹟名勝天然記念物 / 特別保護建造物 / 京都府庁文書 / 愛知県庁文書 / 名古屋市公文書 / 新潟県庁文書 |
Research Abstract |
平成15年度においては、昨年に引き続き都道府県の自治体史などから課題に関するデータ項目を抽出し、その上で現地調査を計画した。この結果、京都府、愛知県、新潟県の各県分については、戦前記に刊行された郷土史誌の書誌データを収集することができた。 京都府では、京都府立総合資料館所蔵の京都府庁文書(重要文化財)を閲覧し、大正中期から行政による保護政策が予算化されていたこと、また多数の民間文化財保護団体の活動の実態を知ることができた。 愛知県では、愛知県公文書館及び名古屋市市政資料館にて愛知県及び名古屋市の文化財保護に関する行政文書を閲覧・収集した。戦前期の愛知県庁文書の多くが県外にあり、重要な資料がなかったが、愛知県内の郡役所文書中に関係書類が見いだされた。名古屋市においては国宝名古屋城を中心とする文化財保護の実態を知ることができた。 新潟県では新潟県立文書が所蔵する県庁文書を閲覧し、昭和初年から実施される県内各地の文化財保護策と、その実施にあたっては県内郡ごとに(旧制)中学校教員を組織化していたことを把握した。 これらの調査により、戦前期の文化財保護政策の担い手である行政側の組織と、地域で組織化される文化財保護団体の両側面から、戦前期における文化財保護に対する視点について検討することの必要性を再認識した。
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