2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢難聴者とのコミュニケーション技術を獲得させるための教育方法の研究
Project/Area Number |
14580225
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
長尾 哲男 長崎大学, 医学部, 教授 (00180456)
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Keywords | 高齢難聴 / コミュニケーション / 生活支援 / KAY / リアルタイムスペクトログラム / 発声法 |
Research Abstract |
1.実験対象の選定 実験対象群を絞り込むために、長崎県内の高齢者施設に勤務する職員の高齢者難聴に対する認識状態を調査した。その結果、職種別、経験年数別に認識や対応に差のあることがわかり、訓練対象として経験年数の少ない介護系の職員を基本として考える必要のあることがわかった。 2.評価対象の言葉 特別養護老人ホームにおける介護場面で用いられている言葉の種類の聞き取り調査を行って、介護者が発声に注意すべき言葉の検討から練習用のテストバッテリーの検討を行った。その結果、日常生活の同じ介護場面で用いられている言葉にも個々の老人によって使い分けがなされていること、入所前に生活していた地域によって様々な方言が使われていること等がわかった。それらの中から標準的なものを選び試行用のテストバッテリーを設定した。 3.評価システム 計測し表示する機器システムを構築するため、可搬性と性能、介護施設内での利用環境との適合性等について、生体の発する声を研究している学内研究者・機器メーカーの技術者等の調査を行い検討した。その結果、小型パソコンを利用した米国KAY ELEMETRICS(国内代理店リオン株式会社)のマルチスピーチとソナスピーチプログラムを基本プログラムとしリアルタイムスペクトログラムを組み合わせることでリアルタイム表示を可能とするシステムを構築した。本システムを老人保健施設と特別養護老人ホームそれぞれ一施設の協力を得て評価実験の体制を設定した。 4.発声法の評価 声の変化を技術的に生み出す方法について、KAY社の元研究員でもある日本音響研究所所長鈴木松美氏から「発声法の視点として腹式発声による高帯域周波数を抑制の可能性」の助言を得て一般の発声法(胸式)によるものとの差について評価システムで比較検討している。
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