2002 Fiscal Year Annual Research Report
ケースメソッドによるメディアリテラシーの評価と遠隔教育に関する総合的研究
Project/Area Number |
14580229
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
金城 芳秀 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40291140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 純 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (60316213)
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Keywords | ケースメソッド / メディア・リテラシー / 保健師 / 家庭訪問 / フォーカス・グループインタビュー |
Research Abstract |
本年度はケースメソッド教材を作成することを目的に、保健所職員、看護専門学校教員等に対して、ケース素材の選定取材を試みた。その結果、勤務歴7年目の保健師が係わった母子保健事例について取材を行い、ケースストーリー(12番目の妊娠)を作成した。これを福祉保健所の研修会にて、市町村保健事業担当課長(事務系)および保健師18人を対象にフィールドテストを実施した。その結果、課長(上司)は保健師の専門性について理解を深め、保健師(部下)は道具としての家庭訪問を再認識するなど、相互作用のある討論が展開された。次に、インドシナ母子保健看護コース研修において、英文版に改訂した12番目の妊娠(The Twelfth Childbirth)を用いて、医師を含むカンボジア助産師9人を対象にフィールドテストを実施した。前回の保健師らが他の専門職と協力体制を構築する方向を支持したのに対し、助産師らは家庭訪問を継続したいと積極的な行動を選択した。この相違に着目することは重要と考え、離島診療所勤務経験があり、市町村を支援する立場にある保健所医師3人に対して、保健師のメディア・リテラシーに関するフォーカス・グループインタビューを実施した。その結果、現場の保健師が問題解決のために自ら情報を検索し、情報の質と量を吟味するような事例を経験せず、保健事業として取り扱わなくてはならない、いわば受身的なニーズが生じているに過ぎないと指摘がなされた。そこで、離島診療所に勤務しながら保健師的な活動を担っている経験豊かな看護師を対象にケース・インタビューを追加した。その結果、問題発見能力を高める情報リテラシーが必要であり、これには臨床疫学的知識の充実が望まれていることが分った。このニーズは現場の保健師や看護師が十分に自覚していない可能性があり、今後、量的に捉えなおす必要がある。
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