2002 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者のための皮膚電気刺激による音楽リズム伝達システムの開発
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14580243
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
川島 光郎 筑波技術短期大学, 電子情報学科・電子工学専攻, 教授 (70258838)
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Keywords | 皮膚電気刺激 / 聴覚障害者の音楽教育 / MIDI駆動マルチチャンネル電気刺激 / 音楽リズム伝達装置 / 感覚障害者とのコミュニケーション |
Research Abstract |
本年度は聴覚障害者に皮膚電気刺激によって音楽情報を伝達するための電気刺激装置を試作し、その単一電極を用いた場合の基本特性を測定した。 すなわち、痛みや筋肉活動励起などの不快感を伴わない電気刺激の範囲を求め、その中で信号伝達を最適化する条件を、電極およびその配置、電圧波形などをパラメータにして検討した。その結果、最適条件にかなりの個人差があることが判明した。このため、一人一人に適正化可能な刺激方法が必要であることがわかり、マルチチャンネルおよびマルチモード対応駆動装置が必要であることがわかった。このため、当初考えていた多人数の演奏パートへの伝達や多電極励起を可能とする理由以外にもマルチチャンネル化が重要であることがわかり、そのための設計・試作を行った。 MIDI信号パルスによって駆動する16チャンネルのマルチチャンネル電気刺激装置の設計を行い、第1次試作器を用いた予備試験を実施した。すなわち、MIDIシーケンサで発生させたリファレンス信号をMIDIドラム演奏者にパルス幅100マイクロ秒の電気刺激として伝達し、ドラム演奏者の発生させたMIDI信号データを収集することを試みた。信号の表示として音以外にコンピュータディスプレイ上のアニメメーションおよびLED発光を併行して行った。 次年度はこの装置を発展させ、皮膚電気刺激と音や映像、振動など従来用いられてきた音楽リズム出力装置と融合して同期駆動可能なマルチモード音楽リズム発生器(音楽リズム伝達システム)を構成する。それを用いた音楽練習システムを構築し、聴覚障害者グループの音楽練習に試用する。その観察結果を分析して、その効果、改良点を明らかにする。 さらに、より一般的な感覚障害者とのコミュニケーション手段としての可能性も併せて検討する。
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