2002 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児の算数障害の最適支援プログラムに関する発達生理心理学的研究
Project/Area Number |
14580271
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00114893)
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Keywords | 学習障害児 / 算数障害 / 実行機能 |
Research Abstract |
近年、学習障害児における算数障害に対する学習支援の必要が指摘されていらう。教育プログラムの作成においては有効な診断方法の確立が不可欠であるが、この点について、充分な検討はまだなされていない。算数では、問題文を理解する上で、聞く、読むに加えで、計算に関する知識の記憶、作業記憶などが不可欠である。そのため、学習障害児の認知能力の偏りと、算数障害との間には、複雑な関係があることが予想される。 本年度においては、以下の点で検討を行なった。 (1)はじめに、学習障害児における算数能力を評価するアセスメント課題を作成し、これを学習障害児40名について実施した。算数能力については、計算能力と文章問題解決能力、さらに図形問題解決能力を評価した。文字に関しては、読字と書字のレベルを評価した。認知処理過程については、K-ABC検査により評価した。その結果、同時処理過程が低い事例については、図形処理および筆算に困難が見られた。継次処理過程が低い事例については、文章問題解決や、計算課題に困難を示した。また、漢字書字に困難を示す事例では、計算課題や図形処理に困難が見られ、特徴的であった。これらの結果は、学習障害児における算数障害の分類に有効であることが指摘できる。 (2)作業記憶の生理心理的評価を行うために、近赤外分光法による脳血流量の測定を行った。測定箇所は、ブローカ野を中心として前方の部位とした。特に視覚刺激を中心とした作業記憶課題で応答が明瞭な部位を認めた。
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Research Products
(1 results)