2002 Fiscal Year Annual Research Report
幼児教育におけるインフォーマル算数習得の支援プログラムと指導法の開発
Project/Area Number |
14580274
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
丸山 良平 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70229631)
|
Keywords | 数概念 / 認知発達 / 幼児教育 / インフォーマル算数 / 数の保存 / 計数 / 多少等判断 / 算数教育 |
Research Abstract |
1999年度に幼稚園に入園して2001年度に修了した幼児85人を対象に3年間にわたって,独自に作成した数能力調査,標準化された性格診断検査,標準化された総合発達診断検査を実施して収集した縦断的資料のうち,数能力調査(毎年度2回,計6回実施)を中心に分析した。 この調査は次の課題で構成されている。(1)多少等判断:数図で提示された2集合の多少等を判断する。(2)集合数把握:数図で提示された集合の個数を答える。(3)数字命名:提示された数字を命名する。(4)計数:具体物で提示された集合の個数を答える。(5)集合構成:口頭で示された個数の具体物集合を作る。保存:ピアジェの標準保存課題手続きによる。(7)等分配:提示された具体物集合を等しい2集合に分ける。(8)数唱(順唱と逆唱):口頭で指示された数詞から数詞までを数唱する。(9)系列化(昇系列と降系列):口頭で指示された数詞より2つ大きい数詞,2つ小さい数を答える。(10)集合合成:具体物集合によって示された数の合成を答える。(11)集合分解:具体物集合によって示された数の分解を答える。(12)数字合成:数字によって示された数の合成を答える。(13)数字分解:数字によって示された数の分解を答える。各課題はそれぞれ数問の問題で構成される。 (8)(9)の課題の分析により3年間で幼児が習得する数唱と数詞系列の実態を示し,年齢が高くなるに従って数唱と数詞系列を数処理のスキルとして使用するようになる過程を考察し論文にまとめた。(7)の課題の分析により3年間で幼児が1つの集合を同数の2つの集合に分配する際の方略とその2集合の同数判断する際の方略の実態を示し,年齢が増し等分する集合数が大きくなると,確実な方略を使う幼児が増加する傾向があるなどそうした方略の使用実態の推移を考察し論文にまとめた。 現在,その他の課題を分析して,数能力の縦断的な解明を進めつつあるし,平行して性格検査と発達検査の分析を個別に行っている。今後,それらの関連を分析し考察する予定である。
|
Research Products
(2 results)