2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580302
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
因 京子 九州大学, 留学生センター, 助教授 (60217239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 端子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80156463)
日下 みどり 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (70253523)
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Keywords | ジェンダー表現 / 他人格モード / マンガ / 日本語教育 / 異文化理解 / 文体的意味 / 談話のストラテジー |
Research Abstract |
1:作品と資料の収集:平成14年6月〜現在も継続中 手塚以降の,日本人の常識の一部となっているようなマンガ,現代の職業生活,社会生活を扱ったマンガを中心に,作品を収集した。また,日本マンガの特徴を対比によって明らかにするために,韓国・中国・台湾・香港などのマンガ作品,日本語に翻訳されて出版されている韓国マンガの作品を収集した(松村,因,日下)。 2:作品の選定:平成14年10月〜継続中 教材化の対象作品を次の基準で選定中である。(1)日本人の典型的な,またはある時代の,ヒーロー及びその誕生が描かれた作品(『明日のジョー』,『ブラック・ジャック』『アラベスク』など)(2)現代人の職業観や職場を中心とする人間関係が描かれたもの(『怪傑!トド課長』『おたんこナース』『火消し屋小町』『研修医なな子』など)(日下,因,松村)。 3:作品の言語的分析:日本語学習者から見て最も理解が困難なのは,認知的意味の解釈ではなく,レベルやレジスター方言やジェンダー表現など文体的特徴によって伝えられる。今回は,特にジェンダー表現の使用に焦点をあてて,日本語において緊張緩和のストラテジーとして頻繁に用いられる。「他人格モード」がジェンダー表現の逸脱によって実現される例をマンガ作品から抽出し,9月と2月の学会で発表するとともに,学会誌に論文として発表した(因)。 4:日本人学生と外国人学生の理解に関する調査:日本人と留学生の両方がマンガをどう解釈するか,文化・言語に関する説明を両者がどのように行うかを調査した(因)。 5:教材の作成:過去数年にわたって行ってきた研究と教育の成果を,マンガ研究の基礎についての入門的研究書にまとめた(日下)。
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Research Products
(2 results)