2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580302
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
因 京子 九州大学, 留学生センター, 助教授 (60217239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80156463)
日下 翠 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (70253523)
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Keywords | ストーリー・マンガ / 異文化理解 / 価値観 / 文体の機能 / ジェンダー表現 / マンガの受容 |
Research Abstract |
1.選定した作品の教材化作業:平成16年3月までに、日本人の価値観や社会的関係の認識や文化的前提をよく示し、且つ、日本語の文体の機能についての示唆が得られる作品として、新たに5作品(『Dr.コトー』『山口六平太』『家栽の人』『怪傑トド課長』『ミスター味っ子』)を選んだ。今回は特に、様々な日本型ヒーローを示し、その中に日本人の価値観を探ることを目標とした。5作品の中から教材とすべき挿話を選定し(因、日下)、選定した挿話についてのタスクとクイズを作成して平成16年4月から上級日本語コースで試用した(因)。試用の結果に基づき、タスクを一部修正した。 2.台湾での調査実施:平成16年9月台湾国立技術学院において、日下・松村がマンガの言語学的側面と文化的側面について講義を行い、マンガを通じて異文化理解を進める方法のfeasibilityを検証し、因が試作教材を用いて実験授業を行い、教材のfeasibilityを検証した。 3.教材のとりまとめ:タスクとクイズを、「働く女性たち」「市井のヒーローたち」というタイトルで、コースで用いやすい形の2冊の教材集にまとめた。 4.研究成果の発表:今年は、これまでの成果が多くの論文や発表の形で結実し、『アジアにおける漫画研究』という論文集も梓書院から発刊されることになった。また、日本語教育学会の研究集会でマンガの教材利用についての講演を依頼されるなど、マンガの利用価値及び我々の努力が広く認知され始めたことも大きな成果である。 5.研究成果のとりまとめ:平成14年から16年までに発表した論文と行った口頭発表や報告のレジュメ、及び作成した教材を、報告書をまとめた(平成17年3月)。印刷製本ができあがり次第、関係諸機関に発送する。
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Research Products
(10 results)