2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580303
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 正弘 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60149929)
|
Keywords | 社会認識 / 日常的社会認知 / 遊動性 / 発達 |
Research Abstract |
3年目の今年度は、1年目調査、2年目調査を経て、3年目調査を実施し、また1年目調査と2年目調査の集計結果を分析し、学会発表を通じて研究方法論の改善・再構築を図った。 まず、今回の調査は、調査対象を小学校4、5、6年生に絞り、各学年3クラスずつ、120名程度の児童に対して行った。一部の5、6年生は3年目の継続調査になる。調査内容は前年度のものを踏襲した。現在、データの入力、集計作業中である。 また、1年目調査と2年目調査の集計結果を分析は、設問の中で特に遊動性が高く見られるものについて、子どもの意思決定の中身にまで踏み込んで行った。その手続きは次のようだ。すなわち、まず2年間の子どもの設問毎の反応をクロス集計し、それぞれの設問において変動性値Chを算出し、それが1以上のものを児童の判断が変動したものとして抽出した。そして、次に抽出した設問について遊動性値Swを算出し、その値が1以上のものを遊動性の高いものとして抽出した。この結果得られた設問に対して、子どもの判断の論理分析を行った。論理分析の結果は極めて興味深く、同じルールを適用しながら全く別の判断に帰着する子どもが存在することがわかった。従って、論理分析は、表面的な記述されたルールのみならず、もう一段上位の顕在化しないルールを推測して分析する必要があることになる。 今年度の研究は、研究方法論として新地平を拓くもので、学会発表において多くの議論が戦わされた。子どもが、論理的判断能力を成長させている中で見せる発達の遊動的をどう捉えるかが課題となった。
|
Research Products
(1 results)