2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580311
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 みゆき 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (60241147)
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Keywords | 日本人学習者 / 英語説明文 / 英語文章産出プロセス / プロトコールデータ / プロセスライティング / 量的研究 / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究は、日本人学習者の英語文章(説明文)産出プロセスが、3年半の長期にわたってどのように変化・発達していくかを質と量の両面から追跡調査することを目的にしている。 平成14年度には、以下の2段階で初年度の計画を実施した。(1)日本の中学・高校で6年間英語を勉強してきた大学1年生約50人(1クラス25人)に書く課題を与えて英作文力を調べ、上位層と下位層からボランティアの学生合計11人を募り(当初20名を予定したが集まらなかった)、個別に設備のある研究室で英語説明文を書いてもらい、書き終わった直後に書いている時の様子を録画したビデオテープを見ながら、書いている最中に何を考えていたかを逐次話してもらい、オーディオテープレコーダーに録音した。採取したデータは、直後に転記した。さらに、基礎データとして、標準英語力測定テストを用いて、それら11人の一般的な英語力を測定したり、英語を書くことに関する現在までの学習経験や、英作文に対する自信や動機付けなどを調査した。(2)(1)で述べた大学1年生50人に、「書く作業は、書きたいものと書けるものとの相互作用を繰り返すことにより成り立つ」という原則に基づいたプロセスライティングの授業を1年間受けさせた。1年間の授業の後、授業前に書いたのと同じ様な難度は似ているが、内容的には異なる)課題の英語説明文を書いてもらい、(1)と同じ方法で、書くプロセスの詳しいプロトコールデータを採取・転記した。その結果、1年間のプロセスライティング授業を受けた後、A.書く量や速さは、変化しなかった、B.英作文の得点は上昇した、C.書く前に作文全体の構成をするようになった、D.書いている最中に次に書くことを考えることは減ったが、日本語から英語への翻訳の回数は減らなかった、等の予備的結果が得られた。これらの分析結果を踏まえて、次年度の量的・質的研究の計画を立てる予定である。
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Research Products
(1 results)