2004 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔地の聴覚障害児・者に対するインターネットを活用した発話指導に関する研究
Project/Area Number |
14580316
|
Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
石原 保志 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 助教授 (70212917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正幸 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 教授 (50215365)
中瀬 浩一 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 講師 (20369309)
三好 茂樹 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者支援研究部門), 助教授 (80310192)
|
Keywords | 聴覚障害 / 遠隔指導 / 発話指導 / 構音 / インターネット / コミュニケーション |
Research Abstract |
昨年度までに構築したシステムを使用して、養護学校に在籍する構音障害児1名及び短期大学に在籍する聴覚障害学生1名に対して遠隔地間発話指導を実施し、以下の事項を検討した。 (1)送受信環境の環境の改善 インターネットを介した本システムを、電話回線を介したテレビ電話システムと比較し、画像の品位と動き、音声の品位、画像・音声の電送におけるタイムラグについて検討した。この結果、インターネット回線が混雑している際に画像の品位が低下し、また音声電送のタイムラグが顕著になると指導が困難になる場合があることが明らかにされた。また音声の回り込みを防止するための措置が必要であるが昨年度までの研究で明らかにされたが、ヘッドセット以外の有効な方法が見いだせない状況である。 (2)指導法および指導環境に関する検討 対象者が児童である場合には、指導者と学習者のラポートを成立させるため、始めの数回の指導は対面で実施する必要があることが示された。指導に際しては、構音器官(口唇や舌)に直接触れる必要がある事項は担任教師の協力を得て行うことが有効であること、このために予め担任教師に教材を提供しておく必要があること、学習者に対する教示において指導者側にホワイトボードを設置するなどの工夫が必要であること、学習者を撮影したモニター画面の他に学習者側の全体像を確認するためのモニター画面が必要であること、等が確認された。 対象者が青年期の聴覚障害者である場合には、学習者自身がコンピュータの操作にある程度習熟していれば第三者の介添えなしに指導を実施することが可能であるが、画像及び音声から構音の動態を把握することは困難であり、遠隔指導はドリル的な内容に限定されるであろうことが示された。 音声の品質は指導に必要な要件が確保されるものの、タイムラグに関しては指導者、学習者の双方がこれを意識したコミュニケーションが必要であることが示された。
|
Research Products
(1 results)