2003 Fiscal Year Annual Research Report
日英比較ジャンル分析:看護学論文に見る日本人のレトリック
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14580318
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Research Institution | Gunma Prefectual College of Health Science |
Principal Investigator |
渡邉 容子 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 助教授 (40258885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 陸郎 群馬県立医療短期大学, 教授 (00156465)
後閑 容子 岐阜大学, 医学部・保健学科, 教授 (50258878)
園城寺 康子 聖路加看護大学, 教授 (50057337)
佐々木 かほる 群馬県立医療短期大学, 教授 (60258879)
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Keywords | 英語論文作成過程 / 看護学研究者 / 論文採択率 / 言語的気づき / 研究者のリテラシー / 上質の執筆者 / ゴーストライター / 研究者組織 |
Research Abstract |
英語論文作成と技術習得過程調査のため、海外研究協力者の英国バーミンガム大学医学部ジョン・スケルトン教授を招聘し英語論文作成・言語教育の貢献・専門誌の実態情報を得た。昨年度の継続として英国人看護学研究者のデータ追加収集とフォローアップ調査、さらに言語データ収集を行った。 1.論文作成の実態:British Medical Journal1999、2000年度調査では、日本人の投稿数は両年共に46件、採択率は0%と2%で英国・米国からの採択率は約16%と格段の違いがスケルトン教授より指摘された。教授によれば、医療系学生への語学教育の重要性は、「批判的に、正当にかつ的確に、理解力を持った事実に基づいた上質の書き手を育成する」、「真実を読み取る言語的気づきと用語検索能力」の指導にあると述べた。教授は、又、多くの論文が医学研究者ではなく、製薬会社雇用のプロの書き手により執筆され新薬の広告に使われる実態があり新聞等で問題になっていると指摘した。これは、言語教育側からの上質の執筆者の育成不足と関わる。 本年の文献調査によるとJournal of Advanced Nursing(JAN)2002年度の採択数(全体256件)ではアジア系24件で、香港:13件、台湾:10件、日本:1件であった。JANへの投稿数は不明だが、医学も看護学も英国専門誌への投稿数は少なかった。 2.面接調査:英国人看護学研究者5名の新規データ加算と2002度調査の英国人4名のフォローアップ調査を実施した。新たに「研究者活動としてのリテラシー」を質問に加え、研究活動に必要な英語力や言語能力に関する回答を得た。5名のうち1名が上記1に示されたプロの書き手(ゴーストライター)による論文作成の実態を述べ看護学研究領域においてもこの事実が確認された。又、医学・看護学共に研究組織構成が日本と異なり、「研究者」と「教育者」の間に明確な役割分担が認められた。これがバーミンガム大学に特有かどうか今後調査予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Watanabe, Y.Onjoji, Y.Ishida, Y.Gokan, J.R.Skelton: Annual Report of JACET-SIG on ESP. Vol.6. 56-61 (2004)