2003 Fiscal Year Annual Research Report
教科学習につながる外国人児童用日本語指導教材および教授法の開発
Project/Area Number |
14580323
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
横田 淳子 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (40200894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 幸江 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (40114798)
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Keywords | 外国人児童 / 教科学習 / 日本語指導 / 教科書 / 文型 / 読解教材 |
Research Abstract |
教科学習につながる外国人児童用日本語指導教材および教授法の開発を目指して、学習者の第二言語を使って教科教育を行うイマージョン教育の実態を調査した。日本国内では英語を使って教科教育を行っている加藤学園の小学部を訪問し、授業見学、指導者との意見交換を行った。学習のための言語を習得してから教科学習をするのではなく、不完全ながら第二言語を使って教科を学習し、教科内容と同時に第二言語も習得していくことが可能であることが確認できた。また、初等・中等教育を母語以外の言語で受けた日本人、中国人、アメリカ人の成人にインタビュー調査を行った結果、読み書きを両言語で行い続けることがバイリンガルになるための大きな要素であることが判明した。 以上の点から、単なる語彙や文型を教える語学教材ではなく、学習者にとって知的興味を満足させる内容をもった読解教材が、教科学習につながる外国人児童用日本語教材として適切であるという結論にいたった。 読解教材開発の手がかりを得るために、国内にマオリ族をかかえ、児童のリテラシー教育において教育研究実績があり、また、近年、アジアの国から英語を習得する目的で小学校レベルの児童が留学しているニュージーランドの教育現場を訪問し、授業を見学するとともに教育者と意見交換を行った。また、オークランド大学教育学部の図書館や教材センターを訪問し、内容のある読解教材を多数閲覧し、いくつかを入手した。ワイカト大学では教育学部の教授と会い、外国人児童を在籍学級で母語話者児童と一緒に教育していくための教授法に関して意見交換を行い、日本での教授法開発の参考とした。 さらに、日本の小学校で使用されている理科と算数の教科書(1年生から6年生まで)の文型を調査し、先行研究の小学校語彙調査と比較し、初期日本語指導教材『いっしょににほんご』の次の段階で指導すべき文型の抽出を行った。
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Research Products
(1 results)