2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者におけることばの男女差の受容とジェンダー意識に関する基礎研究
Project/Area Number |
14580325
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
谷部 弘子 東京学芸大学, 留学生センター, 助教授 (30227045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 泰子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30239545)
|
Keywords | 日本語教育 / 女ことば / 男ことば / ジェンダー / 文末表現 / 終助詞 / ことばの男女差 |
Research Abstract |
本年度は、おもに以下の3点の作業をおこなった。 (1)先行研究および日本・中国の主要な日本語教材の「ことばの男女差」に関する記述を整理し、データベース化した。 (2)中国・韓国の協力者にインタビューをおこない、情報収集および調査項目の見直し・確定作業をおこなった。 (3)中国・大連外国語大学日本語学院および韓国・新羅大学日本語教育学科においてアンケート調査を実施し、データの入力作業をおこなった。 アンケート調査の結果は、現在依頼中のものがすべて回収され次第、統計的な処理をおこない、本格的な分析に入る予定である。「中国データ」について現段階で見られる特徴は、中国国内で学ぶ日本語学習者にとって普通体会話の産出は困難であること、ことばの男女差に対する受容の程度が母語と学習言語とでは大きく異なること、日本人や日本語との接触程度によって、若年層のことばの男女差に対する認識も異なること、などである。「中国データ」に対して、「韓国データ」では、親しい友人同士の会話として普通体がかなり自然な形で産出されている。韓国入学習者は中国人学習者に比べメディアを通した日本語との接触程度が高く、このことが普通体の運用力の差を生み出す要因となっていると思われる。今後さらにデータ数を増やし、性別、母語別、接触頻度別にクロス集計をおこない、分析を進める予定である。
|