2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580327
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山崎 けい子 富山大学, 人文学部, 講師 (50313581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕 電気通信大学, 留学生センター, 教授 (60184438)
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Keywords | 留学生教育 / 学習に対するビリーフ / 学習観のずれ / 異文化間コミュニケーション / ミス・コミュニケーション |
Research Abstract |
大学院における留学生の学習/指導に焦点を当て、留学生と指導教官のそれに対するビリーフ(信念)や現実認識の「ずれ」が異文化間ミス・コミュニケーションを引き起こしているのではないかという仮説を立て、研究を行っている。 昨年度は、留学生と指導教官のビリーフや現実認識に関して調査を三大学(電気通信大学・琉球大学・富山大学)の大学院に所属している留学生およびその指導教官に対して、教育・指導に関するアンケート調査(留学生に対しては日本語版、英語版、中国語版の三種類を用意した)を行い、留学生187部、指導教官162部の回答を得た。その内、有効回答部数を留学生177部、指導教官159部とした。それぞれの質問項目に対する重要度の平均値を出し、有意差を検定した。その結果、留学生と指導教官の学習/指導に対するビリーフには差異があり、特に指導教官が重要度を低く見る項目(教師主導型の学習、言語/コミュニケーション、側面的な援助のカテゴリーに関する項目)に強く差異が見られ問題が集中している示唆を得た。 本年度は、さらに詳細な統計処理を引き続き行い、個人の属性(専門分野、年齢、外国滞在経験等)によりビリーフに差異が現れる傾向を考察した。また、アンケート項目の因子分析も行い、「ずれ」を引き起こす要因のカテゴリー化も検討している。 一方、量的分析で明らかになった問題点を掘り下げるため、アンケート調査に協力してくれた指導教官、留学生の中から合計20名ほどを選び、個別にインタビュー調査を行った。内容は(あらかじめ許可を得た上で)全て音声テープで記録し、書き起こした。具体的な質問事項は、まず背景質問として、1)研究室に所属されるプロセスはどうなっているか、2)研究テーマをどのように決めるか。3)研究の進め方はどうなっているか、を聞いた。次に留学生と指導教官のビリーフに有意差が強く出たアンケート項目について、(1)なぜそうあるべきだという評価を下したのか(本人の理由)、(2)実際はどうであるのか(実情)を聞いた。 現在は、インタビューの文字起こし資料の分析を行うため分析シートを作成し、質的分析を進めている段階である。今後は、アンケート調査結果との整合性もみていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 池田裕, 山崎けい子, 佐々木香世子: "留学生の学習/指導に関するビリーフ;大学院レベルの留学生/指導教官に対するアンケート調査の結果と分析から"異文化間教育学会第24回大会発表抄録. 112-113 (2003)
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[Publications] 池田裕, 山崎けい子: "留学生教育に関するビリーフ-大学院レベルの留学生と指導教官に対するアンケート調査から-"多摩留学生センター教育研究論集. 第4号. (2004)