第二言語学習の個別性要因に関する基礎的研究-社会文化的要因を中心として

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14580340
• Research Institution: Tsuda College
• Principal Investigator: 林 さと子 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (50228574)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田近 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80188268)
• Keywords: 第二言語習得 / 言語教育 / 個別性要因 / 社会文化的要因 / 社会文化的アプローチ / 多言語・多文化社会 / 日本語学習 / 英語学習

Research Abstract

平成8〜9年度の科学研究費補助金研究において,第二言語としての日本語学習者および英語学習者の多様性を,学習者集団の特性としてではなく,学習者一人ひとりの学習過程の「個別性」としてとらえ,一人ひとりの学習過程にかかわる諸要因とその相互作用を示す枠組(モデル)の提示を試みた。本研究では,最新の第二言語習得研究の成果をふまえた枠組(モデル)の再構築を目的としている。
昨年度は,主として言語学習の個別性に関する理論的枠組を中心とした文献研究を行ったが,本年度は,文献研究で得られた知見をもとに,とくに社会文化的要因や社会文化的アプローチに関する研究に注目しつつ研究を進めた。新しい動向を背景として多言語・多文化状況における学習者の個別性,社会文化的背景,学習環境などに焦点をあてた,日本語教育,英語教育および関連分野の具体的な研究を学会誌,雑誌論文,学位論文などから収集し,分析を開始した。
最終年度である来年度は,分析作業を続けるとともに文献・資料のデータベース化を進め,モデルの再検討を経て,再構築を目指す。また,この理論的枠組(モデル)と教育実践との関係性について議論を深めることも課題としたい。