2004 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモーダル仮想空間における形状と画像の創成および知的符号化
Project/Area Number |
14580393
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡田 稔 早稲田大学, 大学院・情報生産システム研究科, 教授 (60201985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 慎士 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20314099)
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Keywords | 仮想木版画 / 仮想浮世絵 / 仮想銅版画 / 非写実的画像生成 |
Research Abstract |
CG分野において,写実的画像生成法(PR : photorealistic rendering)は映画,コマーシャルフィルム,ポスターなどマスメディアで我々の目を楽しませてくれる.一方では,絵画・工芸技術などの模倣,を目的とした非写実的画像合成法(NPR : non-photorealistic rendering)の概念が示された.後者(b)を日的としたNPRは,ここ数年ほどでCGの重要な一分野を形成するに至った.NPRの対象は特に絵画に集中しており,油彩,水彩,パステル,色えん筆などの研究が多く報告されている. CGにおけるNPR戦略において,物理モデル駆動による仮想彫刻・仮想版画(木版画,銅版画)を主として想定した.通常の版画制作工程の逆問題として,印刷作品から元の版木の形状を推定する問題を検討した.ここでの課題は主として色分解法,分解結果と版木形状・掠れ・木目等の影響の分離法である.これらの符号化方式を有効に活用した電子化版木と高精細画像の保存による文化遺産(特に浮世絵の技法に関する無形文化遺産)の保存を目指した応用方法を検討した. これまでのNPR研究での画像生成方式には大きく分けて以下に示す2つの戦略がある. *見た目が本物に近ければ良い,というゴール志向戦略 *物理モデル駆動に基づく過程志向戦略 仮想木版画の場合では画像生成のための仮想版木という幾何学的な中間表現により,そのPBR性がより明確であり,それにより,現実世界での版画制作のプロセスを模擬することが可能となる.本研究の仮想木版画はこの三工程をモデル化し,特に重要な摺工でのインクの振る舞いを物理的にモデル化していることに大きな特微がある.
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Research Products
(6 results)