2002 Fiscal Year Annual Research Report
フィリングインに着目した初期視覚メカニズムの実験的および計算論的研究
Project/Area Number |
14580412
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
阪口 豊 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (40205737)
|
Keywords | フィリングイン / 初期視覚 / 心理物理実験 / 局所的メカニズム / 大域的メカニズム / 計算モデル / コントラスト / 両眼立体視 |
Research Abstract |
本研究は,「フィリングイン」という現象に着目し,心理実験によりその性質を調べるとともに,この現象を説明する計算モデルを構成することを通じて初期視覚メカニズムの解明をめざすものである.本年度の成果は以下の通りである. 1.これまでの研究で用いていた装置に本年度購入した視覚刺激提示装置を組み合わせ,左右両眼に独立して広い視野に対して視覚刺激を提示できる実験環境を構築した.また,構築した環境で実験を遂行するための実験用ソフトウェアを開発した. 2.視覚刺激の強さ(コントラスト)が知覚的フィリングインに与える影響を心理実験により調べた.その結果,充填される目標領域のコントラストがフィリングインの生起時刻に強い影響を与える反面,充填する周辺領域のコントラストは影響を与えないことが明らかになった. 3.左右の視覚刺激に視差を与えて,目標領域の奥行きが周辺領域の奥行きと異なる知覚が得られる条件におけるフィリングインの性質について実験を開始した.その他,種々の条件においてフィリングインの性質を調べる予備実験を行なった. 4.現在,これらの予備実験を行ないながら,フィリングインが局所的なメカニズムにより生じる現象か,より大域的なメカニズムにより生じる現象であるかを見極めるための実験計画を構築している.来年度以降,この計画に沿って実験をさらに進める予定である. 5.計算論的なモデルの構成は,今後の実験結果を見ながらそれに沿って具体化させる計画である.
|
Research Products
(1 results)