2002 Fiscal Year Annual Research Report
実時間対話を実現するインターネットワーク上の仮想環境
Project/Area Number |
14580442
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
米倉 達広 茨城大学, 工学部, 助教授 (70240372)
|
Keywords | 分散仮想環境 / 遅延 / 実時間対話 / 通信環境 / 予測 / PFL / タスクパフォーマンス |
Research Abstract |
本研究では実時間性の高いインターネット上の対話型アプリケーションの性質を調査している.今年度は1.通信遅延の模擬環境の構築 2.ネットワーク上で起きる遅延や更新間隔の大小と,対話性劣化の関係の調査 3.相互予測による実時間対話性確保の実験 4.仮想空間中の輻輳と調節による視覚特性の調査を行っている. ここで1.ではインターネット上の実時間対話環境を想定し,任意の通信環境(帯域幅,遅延,遅延変動,パケット損失等)を模擬できるハードウェア・ソフトウェア環境を構築した.具体的には研究室内にネットワークルータを設置し,そのルータ上に遅延シミュレータソフト,NistNet(米国National Institute of Standards and Technology製)を導入して実現した. 次に2.では仮想環境の操作性・対話性に関して,遅延量,遅延変動,更新間隔の3つの要因が及ぼす影響について情報理論的に考察し,モデル化ならびにその評価実験を検討した[2].すなわち,遅延量x,遅延量の標準偏差y,更新間隔zと一般化されたタスクパフォーマンスの間の関係をモデル化しこれを実際のタスクパフォーマンス実験で評価中である[4]. 更に3.では予測を用いた通信相手との実時間インタラクション手法:PFL (Predictive Feedback Loop)を実装し,模擬遅延のあるネットワーク環境でのタスクパフォーマンス評価実験を行った[1].実験で採用した協調作業においてはユーザーどうしが互いに協力的に作業を遂行することから、位置、速度ならびに加速度のみをパラメータとする上記の力学モデルなどの単純な予測手法でもパフォーマンス向上が見込める(約数十%のパフォーマンス向上が示された)ことを確認した. また4.では輻輳と調節を独立に制御できるATR社製HMD (Head Mounted Display)を用いて仮想空間中の移動物体に対する動的視覚(輻輳,調節の寄与)の調査を行った[3][5].
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 米倉 達広: "遅延を伴う分散仮想環境での状態予測を用いた協調型タスクのパフォーマンス劣化補償"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. 7・4. 543-554 (2002)
-
[Publications] 塙 大: "分散仮想環境上の協調型タスクモデルにおける遅延による情報損失とパフォーマンス劣化の関連について"電子情報通信学会論文誌A分冊. (発行予定). (2000)
-
[Publications] Shintaro Kawahara: "A Proposal of New Method for Depth Accuracy in a Virtual World"Proc. of SPIE International Conference on Stereoscopic Displays and Applications XIII (San Jose). No.4660A. 9-17 (2002)
-
[Publications] Dai Hanawa: "The Relationship between Performance Degradation and Loss of Information Caused by Lag Attributes on Collaborative Task Models in a DVE"Proc. of International Conference on Artificial Reality and Tele-Existence. ICAT2002. 133-140 (2002)
-
[Publications] Shintaro Kawahara: "An Evaluation Method of Depth Perception on Stereoscopic Display"Proc. of International Conference on Artificial Reality and Tele-Existence. ICAT2002. 72-77 (2002)