2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高速ネットワークを利用した感性情報処理法に基づくデジタル伝統工芸システムの研究
Project/Area Number |
14580452
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
柴田 義孝 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (80129791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戴 瑩 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 助教授 (60305290)
橋本 浩二 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 助教授 (80305309)
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Keywords | 感性情報処理 / エージェント / ギガビットネットワーク / XML / 伝統工芸システム / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
今年度は、主として、伝統工芸品を分散するデータベースの中から感性検索を可能とするために、多様な伝統工芸品の特徴量と感性語との関連性をVPIC(Visual Pattern Image Coding)法にとアンケート調査により、関連性の研究を行った。まず、伝統工芸品の特徴量を、その色彩、材質、形状、デザインパターン等、人間の主観的判断から認識される主観的特徴量と、伝統工芸品をデジタル処理をして、その2次元オブジェクトとしてとらえた場合の、その画像を構成しているエッジ総数、エッジ頻度率、エッジ分散率、エッジ変化率により客観的な物理的特徴量に分け、客観的特徴量は、異なる地域や異なる世代の利用者400名程度のアンケート調査により実施し、このデータを主成分分析法および主因子分析法により、感性語に最も関連する主観的特長量を抽出し、それを知識ベースとして表にまとめた。これにより、すべての伝統工芸オブジェクトは、この主観的特長量により、利用者のプロフィール(年齢、男女、地域、職業)を考慮した感性検索が可能となる。この主観的特徴量により検索法では、伝統工芸オブジェクトをデータベースとして登録する際に、人間が主観的にその特徴量を判断する必要があり、個々の人間によるオブジェクトへの感性の差異が生じてしまい、客観的なデータベース登録ができないという欠点が残る。一方、VPIC法により、個々の伝統工芸オブジェクトは、画像処理技術により自動的に、エッジ総数、エッジ頻度率、エッジ分散率、エッジ変化率が計算され、その結果客観的な物理的特徴量を抽出することができる。そして、この主観的特徴量と物理的特徴量を組み合わせて利用することにより、利用者のプロフィールに対応した感性検索を可能にした。さらに、個人個人の伝統工芸品に対する感性の相違を吸収し、より正確な検索結果を提供するために、平均的人物の感性ベクトルをアンケートより求め、この感性ベクトルより、利用者の感性のズレを2次元のマトリクスに基づく個人モデルを導入し、利用者が検索を行った結果を満足度により評価をすることにより、個人モデルのパラメーラを最適に調整する方法を開発した。そして、本システムの有効性を確認するために、インテリアコーディネータシステムのプロトタイプを構築して、多数の利用者による評価実験を行ったところ、個人モデルを導入したほうが、しなかった場合よりもより高い満足度を得ることができ、本研究の有効性を確認することができた。現在本研究の成果を国内外の学会に発表し、高い評価を得た。さらに、本研究成果をjournalとしてまとめ、情報処理学会特集号に投稿予定である。
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Research Products
(6 results)