2003 Fiscal Year Annual Research Report
無料電子論文アーカイブの構築可能性から見た学術情報流通システムの将来
Project/Area Number |
14580455
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉田 敬子 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50205184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 麻実子 筑波大学, 図書館情報学系, 講師 (10359581)
村主 朋英 愛知淑徳大学, 文学部, 助教授 (70230000)
上田 修一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50134218)
|
Keywords | 電子メディア / 学術情報流通 / 電子ジャーナル / プレプリント / 研究者の情報利用 / 科学コミュニケーション / 物理学分野 / 自然科学分野 |
Research Abstract |
主な研究成果は以下の通りである。 1)研究者の電子雑誌および電子メディアの利用実態に関する分析と論文執筆 昨年度末に実施した化学、病理学分野の研究者に対する質問紙調査の分析を進め、研究分担者が別途物理学分野で行った調査結果とも合わせて、以下のような点が明らかになった。 ・電子雑誌の利用は3分野ともに急速に進展し、週1回以上の利用が6,7割となった ・学術雑誌へのアクセス方法が、印刷板の論文コピーから電子雑誌のPDF打ち出しへと変化 以上2点を中心に、既存研究の分析とも合わせて「学術雑誌の役割変化」に関して英語での投稿論文を執筆中である。 ・プレプリントの利用は物理学研究者の3割の利用にとどまる。1999年度に実施した調査結果との比較、既存データの分析とも合わせて、「プレプリントの情報メディアとしての位置づけ」に関する日本語論文を執筆中である。 2)学術雑誌の電子化に関する現状調査と昨年度調査の分析 昨年度実施した心理学、物理学、一般の3分野における学術雑誌の電子化の進展状況調査結果の分析を進め、1998年、1999年調査の結果との比較から、学術雑誌の電子化のピークは2000-2002年であったこと、印刷板の付属物から電子版中心へと移行したこと、大手出版社および学会による寡占化が進んでいることがわかった。これについても現在論文を執筆中である。 さらに、本年度は化学、医学、経済学分野の学術雑誌の電子化状況に関しても同様の調査項目での調査を行なった。またこれらの雑誌に関しては3大学における受入状況調査も行なった。 3)学術情報の電子的な蓄積・流通に関する最新の動向把握 学術雑誌のオープンアクセス、PloSの雑誌創刊、大学・研究機関のinstitutional archive、国内の学術雑誌電子化プロジェクトなどに関する文献やデータを収集し、国内に関しては一部ヒアリングを行うなど、最新の状況把握に努めた。
|