2004 Fiscal Year Annual Research Report
無料電子論文アーカイブの構築可能性から見た学術情報流通システムの将来
Project/Area Number |
14580455
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉田 敬子 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50205184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 修一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50134218)
村主 朋英 愛知淑徳大学, 文学部, 助教授 (70230000)
松林 麻実子 筑波大学, 知的コミュニティ基盤研究センター, 講師 (10359581)
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Keywords | オープンアクセス / 機関リポジトリ / E-print archive / 日本の学術雑誌 / 電子ジャーナル / アーカイブ / 学術情報流通 |
Research Abstract |
1 オープンアクセスに関わる最新動向の把握と関連情報の蓄積 E-print archive,機関リポジトリ、電子ジャーナルの無料公開などこれまでバラバラに展開されていた動きが「オープンアクセス」運動ということでまとまりをみせ、同時に英国や米国で政府レベルでの動きが活発化した。これらの動向の把握は、今後の学術情報流通を考える際に非常に重要と考え、これらを蓄積、共有できる体制を構築した。サーバ上にOpen Accessに関するサイトを構築し、研究分担者、研究協力者がそれぞれの関心に応じて最新のニュースの紹介、欧米での重要な報告書や方針の翻訳を行い、情報の蓄積・共有を行った。現在は、試験運用であるが、今後は登録メンバーを広げ、オープンアクセスに関する日本の研究の拠点として発展させていく基礎ができたと考えている。 2 人文科学分野に関する研究者の電子メディア利用 人文科学分野においては、自然科学分野ほど電子ジャーナル等の普及が進んでいないが、逆に人文科学分野に特有の電子メディアの存在が紹介されるようになってきた。本年度は歴史と哲学分野において研究活動に利用される可能性のある電子メディアの確認と実態調査を行った。メーリングリスト、リンク集、電子百科事典(共同制作)、プレプリント、電子化された古典作品などの存在が確認されたが、利用実態は明確にならなかった。今後人文学分野の研究者の利用動向調査の基礎資料としていきたい。 3 日本の雑誌に関する電子化状況 学術雑誌の電子化調査の一環として、日本の雑誌の状況に関する調査を行った。日本の学会誌1500誌に関して、分野、雑誌の種別、電子化の方法、利用料、アーカイブ等に関して調査した。結果として電子化率は35%に留まったが、医学分野において海外出版社のプラットフォームの利用、無料での公開など、日本の雑誌ならではの特徴が一部見られた。
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