2002 Fiscal Year Annual Research Report
ITSの情報提示における総合的ヒューマンインタフェースの開発
Project/Area Number |
14580458
|
Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 博彦 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (10247124)
|
Keywords | ITS / ヒューマンインタフェース / 認知負荷 / 拡張現実感 / 実世界指向インタフェース / 車載情報機器 / ヘッドアップディスプレイ / 安全 |
Research Abstract |
ITS(高度道路交通網システム)において、ドライバーへの情報提供のためのヒューマンインタフェースの研究は数多くなされている。しかし、それらの大半は特定の情報を単体で取り出し、その情報をいかにドライバーにはっきりと認識させるかということの焦点が置かれている。ITSにおいては多種の情報提供が計画されており、それらのすべてがドライバーの強い注意を引くと、お互いに干渉しドライバーの認知負荷が高くなることにより、かえって危険な状態を招くことが予想される。 本研究では、車内空間をひとつの情報空間として捉え、ドライバーの認知負荷を高めることなく、情報を提供できる総合的ヒューマンインタフェースの開発を行うことを目的とする。特に本年度は警告情報に絞り、危険な状態をドライバーに知らせるためのヒューマンインタフェースシステムを提案する。 本システムにおいて、ドライバーに提供される危険情報はヘッドアップディスプレイを用い、ドライバーが見ている車外実空間にオーバーレイされて提示される。提示された情報は一旦消え、その危険状態が続いている間、サイドピラーに設置されたランプが点滅する。ドライバーは何度も同じ情報を受けることなく、サイドピラー部のランプの点滅でその危険状態が続いていることを知ることができる。また、ドライバーがそのランプが何の情報であるかを忘れた場合、そのランプを見ることで、そのすぐ横のフロントガラスにその情報が再度提示されるため、情報の確認が可能となっている。 本システムをドライビングシミュレータに実装し、実験を行ったところ、単に情報を提示した場合には、ドライバーが情報を見ているにも関わらずその情報を認識することができないのに対し、本システムでは、ドライバーの認知負荷はあまり高くなく、安全運転に支障をきたさず、さらに受け取った情報を有効に活用し、危険を回避できることがわかった。
|
Research Products
(1 results)