2005 Fiscal Year Annual Research Report
患者の病院選択行動に基づく第2次医療圏における病院の適正配置
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14580467
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
鈴木 久敏 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (10108219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 博通 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (80361301)
石井 儀光 国土技術政策総合研究所, 都市研究部, 主任研究官 (80356021)
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Keywords | 病院経営 / 適正配置 / 適正規模 / 病院選択行動 / 病院の魅力 / アクセサビリティ / ハフモデル(重力モデル) / Voronoi分割 |
Research Abstract |
病院経営に関する従来からの定説は、 ・たくさんの診療科を揃え、設備が整った大規模病院ほど、患者の評価は高くなる ・したがって、大病院ほど患者を集めやすく、病院経営が安定する というものであった。このため、各病院はそれぞれ自己完結型の大病院を目指してきた。このような発想には、競合する近隣病院の影響、患者の病院へのアクセサビリティ(通院や入院の便利性)、診療科の差異等が全く考慮されていない。包括医療制度の下では、各病院はマーケティング的発想を取り入れ、病院の魅力を構成する要因を的確に捉え、病院経営に反映させねばならない。 横須賀-三浦の第2次医療圏及び隣接する横浜市南部地域に存在する国家公務員共済組合傘下の3病院について、年間の外来・入院患者の全データを診療科別に収集し、個々の患者の住所、年齢、受診病院名、受診診療科、受診回数等のデータベースを作成し、分析を行った。ハフモデルを参考に、患者の病院選択行動を説明する数理モデルを作成した。また、同じ国家公務員共済組合傘下の東京都区内にある某病院についても外来・入院患者のデータを収集し、横須賀-三浦地区の3病院と比較分析を行った。都区内のように競合が厳しい地区では通院時間を考慮したVoronoi分割が極めて有効であること、診療科毎に通院時間の影響が大きく異なることが分かった。研究の途上で、不足しがちな夜間時における小児科医師を少数の拠点病院に集約する拠点病院方式の効果について、Voronoi分割を利用して分析し、茨城県の医療関係者に提供した。地区別の人口データや年齢構成、各病院の受診比率、さらには地形、交通機関、都市状況など地域の諸データを地図上に視覚的に表示し、患者の病院選択行動における隠された構造を読み取ることが病院経営上極めて有効であり、本研究によりその仕組みを整備できた。最後にこれらの研究成果を報告書に取りまとめた。
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Research Products
(1 results)