2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580485
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 正子 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20129513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 行治 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (10129421)
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Keywords | 環境経営 / 企業行動 / 持続可能性 / ステークホルダー / 企業評価 / DEA |
Research Abstract |
企業報告書等の収集とともに,調査収集した企業データにもとづく分析をおこなった。 ひとつはとくに企業のステークホルダーがどのように環境に対するそのビジネス影響を減らすことに関与し,環境経営を主とする企業の持続可能経営に影響をもつかという視点に立つ分析である。データは昨年度実施した日本の企業の環境経営の意識と活動に関する企業調査データおよび環境報告書,社会環境報告書,CSR報告書などとISO14001の認証統計から得ている。産業および市場を区分して,環境負荷削減活動を促進させている動機要因を統計的に分析した結果以下の知見が得られた。(1)環境経営,持続可能経営に興味を持っている株主はその企業をして環境影響を下げるための活動を動機付ける。(2)取引先については,環境の視点からサプライチェーンを管理することは環境の保存に特定の効果を与える。(3)従業員の部門間のコミュニケーションは環境問題に関して効果的である。(4)顧客,さらに一般消費者は企業の環境パフォーマンス情報の公表動機に大いに関係がある。(5)温室効果ガス排出削減には,政府が重要な役割を演ずる。 もうひとつは,包絡線分析法(DEA)を用いた企業ごとのステークホルダーの重要度を考慮した企業の持続可能経営のためのパフォーマンス評価方法を提案した。日本の電機業界の主要上場企業に適用したところ,妥当な結果を得られた。しかし同時に企業の情報開示不足の問題が明らかになった。とくに環境経営から持続可能経営へ,より広いステークホルダーへの意識と情報開示に関して,多くの企業が拡張段階にあることが原因となっている。
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Research Products
(2 results)