2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14580492
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森戸 晋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50134193)
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Keywords | 循環型製品 / ロジスティクス / 在庫転送(予防的・緊急的) / ロットサイズ決定問題 / 在庫点決定問題 / 最適化 / 計算実験による評価 / ラグランジュ緩和法 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、主としてレンタル商品とレンズ付フィルムやビンビールのような「循環型」と捉えられる製品・商品を想定し、生産・在庫管理および在庫点決定に関する数理モデルの構築とその解析方法・解法の開発を行った。 レンタル製品については、受注からレンタル開始までに予約リードタイムが存在する場合の拠点間転送の効果を分析している。総費用最小化を図る転送政策を新聞売り子問題に定式化し「最適」政策を導き、系内製品数や費用要因が最適政策に及ぼす影響をシミュレーションによって分析した。その結果、適切な在庫転送によって品切れを回避することが、転送をまったく行わない場合や、どこかの拠点で品切れが発生しそうになったときに無制限に転送するという両極端に対して、よりよい性能を示すことを明らかにした。また、循環型製品に対する在庫転送を検討する準備として、消費型製品の在庫転送の最適化に関する数理モデルの研究を行った。具体的には、予防的在庫転送と緊急的在庫転送の併用方策を考え、2段階リコース問題と呼ばれる確率計画問題に定式化し、数値実験に基づいて2つの在庫転送方策併用の効果を明らかにした。一方、循環型製品については、製品が循環型部品と使い切りの消費型部品から構成される組立型工程を想定し、循環型部品の回収見通しと製品の需要予測が与えられたときに、総費用最小化を図るWagner-Whitin型ロットサイズ決定問題に対し、ラグランジュ緩和に基づく精度保証のある近似解法を開発した。現在、計算実験による解法の評価を行っている。この他、循環型生産を想定した最適在庫点決定問題の検討を始めた。この研究は、戦略的に在庫をおく位置を決めようとするもので、基準在庫方式の下で総費用最小を図る安全在庫の配置を動的計画法やメタ解法によって近似的に求める方法を開発している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 風間正博, 森戸晋: "循環を考慮したサプライチェーンネットワークにおける戦略的在庫点決定"LiMEシンポジウム講演論文集. 35-36 (2004)
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[Publications] 田中一光, 森戸晋: "回収・再利用を伴う部品組立型製品における動的ロットサイズ決定問題と解法の提案"LiMEシンポジウム講演論文集. 37-38 (2004)
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[Publications] 秋田真, 森戸晋: "予防的・緊急的在庫転送併用方策の確率計画法による最適化"日本経営工学会平成16年春季大会予稿集. (5月予定). (2004)
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[Publications] 新井裕明, 森戸晋, 今泉淳: "同一並列機械ロットスケジューリング問題への列生成法の適用"日本経営工学会論文誌. (刊行予定). (2004)