2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増田 聡 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30231591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 良之 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10210072)
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Keywords | 都市計画 / 地域防災計画 / 土地利用計画 / 政策過程 / 災害リスク / 宮城県沖の地震(2003.05.26) / 宮城県北部の地震(2003.07.26) |
Research Abstract |
本年度の当初計画では、国内外の「防災計画と都市計画の連携体制」に関する事例発掘とフィールド調査を中心に研究を進める予定であったが、宮城県沖及び県北部を震源とする震度5超の地震が5月と7月に相次いで発生したため、被災地近傍の研究機関として、調査対象を宮城県内被災地に設定して、自治体計画について以下の3点に関する調査を実施した。 (1)建物被害を中心とする実態調査を行い、そのデータベース化と解析を行った。7月の地震は、農村地域を中心とする直下型の地震であったが、建築構造・年代とともに、宅地開発・造成に関する土地利用計画の必要性が確認できた。 (2)5月と7月に発生した地震の被害拡大・収束過程を定量的に把握するとともに、発災後の自治体対応が如何に機能したかを評価し、地域防災計画の有効性・実効性を検証した。その結果、事前対策として「都市計画」的対応の弱さが確認された。 (3)今回の地震を契機として、将来の宮城県沖地震をも念頭に置き、県内69市町村の地域防災計画の現状及び改訂状況と今後の課題を、防災担当職員に対するアンケート調査から分析把握した。 次に、地域防災に果たす企業の役割に着目した下記調査を実施し、現在その解析中である。 (4)宮城県内製造業企業に対するアンケート調査を実施し、災害リスク発現下の企業行動、特に、企業の自然災害リスク・マネージメント体制の実態と地震経験の影響を調査した。 研究成果については、建築学会、地理関連学会、GIS学会、地震学会等において速報として公表しているが、詳細は、建築学会による地震被害調査報告書(2004.04発刊予定)において公表する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 増田聡: "被害概要"日本建築学会東北支部・日本建築学会東北支部調査連絡会編『2003年5月26日宮城県沖の地震災害被害速報』. 14-17 (2003)
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[Publications] 増田聡: "生活関連の被害"日本建築学会災害委員会・日本建築学会災害調査WG『2003年7月26日宮城県沖の地震災害被害速報』. 90-97 (2003)
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[Publications] 村山良之, 平野信一, 松本秀明, 増田聡: "2003年7月26日宮城県北部の地震による災害"地理. 通巻579号. 43-48 (2003)
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[Publications] 増田聡, 村山良之, 馬場美智子: "ニュージーランドウエリントン県における活断層上の土地利用規制"季刊地理学. 55(3). 211-212 (2003)
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[Publications] 村山良之, 増田聡, 馬場美智子: "ニュージーランドにおける防災型土地利用規制:活断層上の土地利用規制の実例より"日本地理学会秋季学術大会梗概集. 64. 159 (2003)
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[Publications] 増田聡: "宮城県内市町村の地域防災計画の現状と課題"仙台都市研究. 3(印刷中). (2004)