2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
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Keywords | プラズマ・壁相互作用 / タングステン / 炭素材 / 高熱負荷 / 水素同位体 / ヘリウム / ダイバータ板 / プラズマ対向材料 |
Research Abstract |
本年度の研究では、電子ビーム照射により加熱されたRe/W多層中間層を持つプラズマスプレータングステン被覆炭素材試料に対して、その分析を進めた。特に、X線回折を用いた構造解析を行い、界面におけるタングステンカーバイドの形成過程についてその詳細を明らかにすると共に、プラズマスプレータングステンの再結晶化挙動、繰り返し熱負荷による影響について明らかにした。これらに加え、さらに高機能を持つ中間層考案し試料を作製し、これらの試料に対する実験等の準備も進めた。 温度及び保持時間が1800℃、30分(a)及び2000℃で30分(b)の場合では、炭素材近傍の中間層部分はどちらの場合も中間層のRe/W多層構造が消失しており合金化している。しかし、プラズマスプレータングステン部分の炭化タングステン層の保持時間に対する厚み変化から、(a)の場合は、中間層は炭素の拡散バリアとして機能しているが、一方、(b)の場合は、拡散バリアとしての機能は見られない。X線回折分析の結果、炭素材近傍の中間層部分は、(a)の場合は、ReW、WC、W_2Cを形成していることがわかった。一方、(b)の場合では、ReW、WCは見られるが、W_2Cは観察されなかった。これは、W_2Cが、炭素を吸収しWCになったものと考えられる。これらから、(a)の場合は、炭素材近傍で、炭素を吸収する余地があるが、(b)の場合は、その余地がなくなり、炭素がプラズマスプレータングステン部分に拡散し、厚い炭化タングステン層を形成したものと考えられる。また、中間層におけるRe及びWの厚み、数を変化させた試料を剥離することなく作製することに成功した。さらに、熱及び熱応力計算の際必要な熱伝導率及び熱膨張率の測定用試料も作製した。
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Research Products
(1 results)