2002 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を含む自然混合流体を用いたヒートサイクルシステムの設計
Project/Area Number |
14580537
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
越智 健二 日本大学, 理工学部, 教授 (10059389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 弘幸 日本大学, 理工学部, 助手 (50339256)
栗原 清文 日本大学, 理工学部, 助教授 (50186508)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 混合熱 / ヒートポンプ |
Research Abstract |
本研究は二酸化炭素の臨界点近傍で二酸化炭素とメタノールを混合させた時に現れる大きな発熱に着目し,この熱効果を利用した環境対応型ヒートポンプの開発を目的としたものである.本年度は,昨年度までにえられた両流体のリサイクルに関する研究成果を踏まえ,暖房器への利用を視野に入れたシステムを検討し,併せて混合溶媒としてメタノールに代わる環境負荷削減型溶媒の検索を進め,次のような知見をえた. 1.本システムにおける流体のリサイクルを完成するため,まずブースターを導入し,コンプレッサーと組み合わせて,二酸化炭素のリサイクルシステムを検討した.その結果,二酸化炭素については定量ポンプを経由しないシステムが可能であることを確認し,次のようなリサイクルシステムを試作した. コンプレッサーからの二酸化炭素を空冷によってほぼ35℃位まで冷却,これと定量ポンプからのメタノールとを混合部にて混合させ,ここで混合熱をよる発熱をえる.混合部からの混合流体は背圧弁を通して気液分離部へ送られる。ここで流体は背圧弁入り口での7.5MPaから出口での1.5MPaまで減圧され,断熱膨張により0℃近くまで冷却される。分離された両流体は大気との熱交換により昇温され,メタノールは定量ポンプを経て再び混合部へ,また二酸化炭素はコンプレッサーを経て再び混合部へリサイクルされる.現在,コンプレッサーの能力と背圧弁出口の圧力の関係を検討している. 2.メタノールに代わる溶媒として,環境負荷をより削減できる溶媒として注目されているフツ素エーテルに着目し,アイソサーマルカロリーメータで二酸化炭素との混合熱を測定したところ,メタノール系よりもはるかに大きな発熱が認められた.このことは本研究の更なる発展につながるものと考えている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 越智健二: "超臨界領域における混合熱とその利用"Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan. 8.3. 166-173 (2001)
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[Publications] Kenji Ochi, Wenbin Dai, Yutaka Wada, Hiroyuki Hayashi, Kiyofumi Kurihara, Kazuo Kojima: "Measurement and correlation of excess molar enthalpies for the systems containing supercritical carbon dioxide and alcohols"Fluid Phase Equilibria. 194-197. 919-928 (2002)