2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物起源炭化水素による汚染大気中のオゾン生成最適化に関する研究
Project/Area Number |
14580549
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永尾 一平 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (00252297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 聖治 産業技術総合研究所, つくば西事業所・環境管理研究部門, 主任研究員 (70356971)
|
Keywords | オゾン / オゾン前駆物質 / 非メタン炭化水素 / 窒素酸化物 / 都市大気 / 光化学生成 |
Research Abstract |
都市の汚染大気中のオゾンの光化学生成の季節変化を説明するうえで、植物起源の炭化水素の寄与を調べることを目的とし、オゾンの光化学生成に不可欠な非メタン炭化水素(NMHC)の連続測定を実施した。炭素数2〜10までの炭化水素の連続自動測定装置を構築し、連続測定を3時間毎に実施している。外気の分析を行いながら同時に試料吸引ポンプ、バルブ、濃縮・脱着をタイマー制御し自動化したものであるう。特に植物起源の炭化水素として、イソプレン、テルペンに注目し、他の炭化水素(主に人為起源)との相対的濃度の変化を調べている。 また、これと並行して大気中のオゾン濃度、窒素酸化物濃度(NO_x)および全天日射量、オゾンの光解離に関わるB領域紫外線強度、NO_xの光解離に関連のあるA領域紫外線強度の自動連続測定を実施している。データは一分毎にパーソナルコンピュータに記録されている。 これらの測定データをもとに都市大気における季節変化、日変化を調べるとともにオゾン濃度の日中の増加量がオゾンの前駆物質であるNMHCやNO_xの濃度とどのような関係にあるか、またNMHCがNO_xに対して相対的に増加することによりオゾンの生成量にどのような影響を与えるかを分析した。これまでの結果では、冬から春にかけて植物起源と考えられるイソプレンの増加が観測されており、詳細な解析が必要であるが、季節進行にともなう植物起源の炭化水素の増加が、冬から春、夏にかけてのNO_xに対するNMHCの相対的な増加に寄与している可能性がある。
|