2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580553
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野中 善政 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30094080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 才三 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (00041054)
境 幸夫 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50041059)
流田 勝夫 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (40041008)
小園 茂平 宮崎大学, 工学部, 助教授 (10169302)
大河内 康正 八代工業高等専門学校, 教授 (80124147)
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Keywords | 海塩粒度分布 / 波浪計算(SWAN) / エネルギー散逸率 / 波浪の周期・波高 / 海塩フラックス / 逆問題 / 境界積分法 / データ同化 |
Research Abstract |
平成17年度は,02年8月から04年8月に採集した海塩濃度データの分析,(2)波浪計算(SWAN),(3)海塩フラックス分布の推定法に取り組み3つの報告・論文にまとめた.報告・論文の内容は次の通りである.(1)海塩フラックスは波浪エネルギーの散逸率によりほぼ決定される.(2)海塩フラックスは波浪周期の増大とともに増大する.(3)粒径1.5μm以下の粒子に対する粒径1.5μm以上の粒子の質量比は波浪エネルギーの散逸率の増大とともに増大する傾向がある.(4)質量粒度分布の極大値粒径は波浪エネルギーの散逸率の増大とともに減少する傾向がある.(5)境界積分法を適用し目標粒度分布から推定されるフラックス分布は,風速,湿度,サンプリング高度,及び目標(観測)粒度分布の誤差に対する感度が大きく,有効フラックス源の推定位置に不定性が生じる.複数高度における同時サンプリングが実効フラックス源位置の不定性を解消する上で有効である.(6)汀線から500m内の海塩粒子フラックス強度は,波高0.9〜1.1m,周期7〜9sの波浪条件の下で,外洋(10m高度の風速3m/s)の10〜40倍であり,さらに波浪エネルギーの散逸率増大により,汀線付近で最大120倍に強められる.(7)境界積分法を適用した推定法による海塩フラックス源の位置,フラックス強度の時間変動傾向は波浪計算(SWAN)による結果と概ね一致する.(7)粒度分布からフラックス源分布を推定する問題は一般に非適切(none well posed)な逆問題であるが,推定フラックスの目標データ誤差への感度を緩和する方法として,複数高度(地表高度15m以下)の粒度分布データを用いること,及び誤差の許容範囲で目標粒度分布をモデルに適合させる-データ同化を図ることが有効である.
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Research Products
(3 results)