2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580554
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴山 秀雄 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 顕彰 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (50052808)
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Keywords | MUSIC法 / 音響インテンシティ / 音環境保全 / 空間平均法 / 音波到来方向 / 超低周波音 / 固有値展開 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
MUSIC法は信号の分散共分散行列を固有値展開し、信号部と雑音部の2つのサブ領域に分離し、MUSICスペクトルを計算し、そのローカルピークを用いて、到来方向を推定する。しかし、この手法は相関波が存在する場合は固有値の縮退が発生し、推定誤差を生じる。これを回避するための前処理として、分散共分散行列をいくつかのサブ行列に分解し、その各サブ行列に対して重みを付けて、分散共分散行列を再構成する手法を用いる。その重みの決定法として、遺伝的アルゴリズムを用いた空間平均法を提案し、その成果を報告した。さらに、音場の状態に対応し、適応的に重み係数を決定する適応重み付け手法を報告した。到来方向推定は遺伝的アルゴリズム手法の空間平均法に比較して高く、測定音場のSN比がOdB以上の条件で適用可能である。前記したように低周波音波は波長が長い為、観測位置では音波伝播は平面波の到来とみなす事は必ずしもできず、球面波として、取り扱う方がよい場合がある。15年度はこの問題をテーマの一つとして、研究を進めた。音波到来方向推定解析を行い、自動車走行音が混入する中で音源位置同定を行った。この野外実験での成果は日本音響学会講演会で報告しているが、音波伝播路の擾乱による、音波の変動やSN比の改善法について検討する必要が残っている。 音響インテンシティによる音波到来方向の検討も行っている。音響インテンシティは相関波の存在の有無には無関係であり、発生源の音波生成過程が安定であれば、ベクトル的に決定できる利点がある。平成15年度は残響時間が長い、教室に障害塀のモデルとして、合板とアルミ板による回折波の音響インテンシティを測定できるシステムの構築と反射波の反射係数を測定した。この実験から、残響場のある音場で音の流れを計測可能であることを実験で確認した。この実験での成果は日本音響学会講演会、日本騒音制御工学会講演会、日本電子情報通信学会の技術研究会、騒音制御の国際学会であるInter Noise 2003で報告している。この成果はスケールモデルを用いた実験であるが、音響エネルギーの流れを視覚的に捉えることができる利点を有している。 低周波音波の到来方向を推定するには、音響インテンシティ・プローブを改良しなければならないし、加えて、音響インテンシティ計算ソフトウエアーの製作が課題である。この手法はMUSIC法のように長いアレーマイクロホンが必要ないので、観測場所の選択が限定されない利点がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuyuki YAMADA, Hideo SHIBAYAMA: "ESTIMATION OF ARRIVAL DIRECTION OF REFLECTED WAVES IN THE ALIVE ROOM."The Eighth Western Pacific Acoustic Conference. CD-ROM. TC44 (2003)
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[Publications] 山田和幸, 柴山秀雄: "障害物による音場の音響インテンシティ測定"AESコンベンション2003 予稿集. 48-51 (2003)
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[Publications] Kazuyuki YAMADA, Hideo SHIBAYAMA: "Analysis of acoustic intensity around the dummy head"Inter noise 2003. CD-ROM. 1824-1829 (2003)
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[Publications] 山田和幸, 柴山秀雄: "パネル周辺部の音響インテンシティ測定"電子情報通信学会技術研究報告 信学技報. EA2003-103. 21-26 (2003)
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[Publications] 山田和幸, 柴山秀雄: "音響インテンシティ法によるファンノイズの減衰測定"日本騒音制御工学会 研究発表会 講演論文集. 1. 257-260 (2003)
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[Publications] Motoatsu Miwa, Tomoyhuki, Matsunaga Mikito Saito, Shibayama Hideo: "Errors of arrival direction of infrasound by the MUSIC method"ICA. CD-ROM. 2-15 (2004)