2004 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
14580554
|
|---|
| Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
柴山 秀雄 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052866)
|
|---|
| Keywords | 近距離音場 / 直線マイクロホンアレー / 回折波 / MUSIC法 / 超低周波音 / 音環境保全 / 音源位置探査 / 長距離伝播 |
|---|
| Research Abstract |
低周波振動音の波長は長く、しかも音圧減衰が低いため、音波は長距離まで伝搬する。そのため、音源発生源を同定する場合、音波到来伝搬角度を精確に求める必要がある。伝搬角度の推定誤差の原因として、1)他の音源からの音波の混入による信号対雑音比の低下。2)音波伝播距離が長いことにより、気温や風の影響を受けやすく、位相特性に影響を及ぼす。3)波長が長いことによる回折波の発生等が無視できなくなり、超分解能手法であるMUSIC法の使用できない場合がある。これらの欠点を取り除く、MUSIC法を用いる前処理として遺伝的アルゴリズムを用いた空間平均法を提案した。しかし、着目する音源の周波数が低いため、マイクロホンのアレー長は50mを超えることもあり、都内で実際に測定するには問題がある。それを解決するために、音響インテシティ法を提案した。
8個のエレクレット・マイクロホンからなるマイクロホン・アレーを作成し、80Hzの正弦波信号を拡声器から放射し、MUSIC法を用いて音源到来方向を推定した。SN比が低い事による測定環境の中で5度以内の精度で音波到来方向を推定できた。また、回折波の影響が強く、精度に直接影響するので、多重反射の問題を解決する必要がある。マイクロホン・アレーを用いた手法と並行して、4個のエレクレット・マイクロホンを用いて、3次元音響インテシティを作成した。音響インテンティはマイクロホン対を用いるシステムであるが、到来方向の精度を高めるために振幅周波数特性と位相周波数特性を揃えなければならない。この条件は並置法校正により、伝達関数を計測した後、補正を施すためのディジタル信号処理を用いることで解決した。無響室で3次元音響インテシティの方向推定を行い、性能を調べた段階である。今後は、3次元音響インテシティを2点以上の観測点に設置し、推定した到来角度を用いて幾何学的に音源位置が同定し、音環境の保全に寄与できる方法を検討する。
|
Research Products
(6 results)
