2002 Fiscal Year Annual Research Report
南極・氷床下湖(Lake Vostok)のダイナミクスに関する国際共同研究
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14580556
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
渋谷 和雄 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80132710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 浩一郎 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80290873)
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Keywords | Lake Vostok / 南極氷床 / 湖潮汐 / 重力潮汐 / GPS / 気圧応答 / NCEPデータ / 氷床動力学 |
Research Abstract |
南極大陸内陸部のVostok基地(ロシア)は氷床下湖(Lake Vostok)の南端に位置することが知られている。その空間的な広がりは昭和基地で受信した合成開口レーダデータ(ERS-1及びERS-2のTandem Mission Data)で見ると南北方向に約300km、東西方向に約100kmである。このデータを干渉解析することにより、1日間での上下変位を推定できるが、その変動は約20km幅の遷移帯を持ち、0mm(接地帯)から10mm(湖中央部)まで変化していて、南極氷縁域での棚氷接地帯と類似の構造を持つことがわかった。 一方、Vostok基地では過去に約5か月間(1969.07.22-1969.12.10)、アスカニア重力計を用いた重力潮汐観測が行われている。この重力潮汐データに対してBAYTAP-Gプログラムを用いて解析すると、得られる潮汐ファクターや完全弾性体地球に対する理論位相からのずれが、(1)主要分潮では位相の進みが見られる、(2)半日周潮では潮汐ファクターが20%前後、理論値より小さい、(3)非潮汐成分は気圧変化とよ<対応していてその応答係数は-3.7μGal/hPaであって、陸上で通常に得られる-0.3μGal/hPaより絶対値が1桁大きいことがわかった。 実際の氷床表面でいかなる変動が起きているかは、ドイツ・ロシアの共同研究者が観測隊員を送って接地氷上と湖上氷上間で相対GPS観測を実施しているので、明らかにできる。NCEPによる全球再解析データによると大陸上でも大きい場合で約20hPaの気圧変化が生じるが、これは約20cmの上下変動に対応するので、両者の比較はこの地域一帯の動力学を研究するうえで重要である。なお、ERS-1/ERS-2 Tandem Dataだけでは、長い時間差での上下変位が求まらないので、24日の回帰周期を持つRADARSAT衛星のデータペアで干渉解析を試みたところ、干渉することが確かめられた。上下変動縞だけを分離するにはさらなる解析が必要であるが、平成15年度は多面的な研究を進めることができる。
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