2003 Fiscal Year Annual Research Report
南極・氷床下湖(Lake Vostok)のダイナミクスに関する国際共同研究
Project/Area Number |
14580556
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
渋谷 和雄 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80132710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 浩一郎 南極圏環境モニタリング研究センター, 助教授 (80290873)
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Keywords | Lake Vostok / 合成開口レーダー / 湖潮汐 / GPS上下変動 / 氷床下湖 / アイスダイナミクス |
Research Abstract |
ERS-1/ERS-2タンデム期間中の合成開口レーダーシーン4ペアについて干渉解析(InSAR)に成功した。1996.4.10-4.11のペア40_436,43_435、1996.4.11-4.12のペア41_437、及び1996.4.23-4.24のペア40_435である。これらはLake Vostokの面積にして約60%(南半分、ボストーク基地近傍まで)をカバーしている。軌道縞除去、位相unwrappingに成功したが、地形縞除去には至っておらず、RAMP_DEM(Radarsat Antarctic Mapping Project Elevation Model)を用いて、地形縞をsimulateするソフトウェアの準備がようやく整った。InSAR解析により求まる位相変化をすべて上下変位によると仮定した時、湖上(湖の上にある氷厚4000mの氷床表面)での上下変位は1996.4.11の2237UTから24時間後にかけて最大1.5cmの下向き変位である。地形縞未補正の影響は約0.3cmと思われる。観測された変位量は、平衡潮を仮定した理論潮汐による変位予測(-3cm)の半分であり、変動の面的パターンは両者でほぼ一致している。地上観測に基づく表面変位を調べるため、2002.11.25〜2003.01.26の間、海外共同研究者を中心としたGPS観測が行われた。InSAR解析で得られたフリンジパターンを参考に、着底氷床上の固定点に対するtransition zone上の点、floating zone上の点が選ばれ、20-40日分の相対測位変動データが得られた。GPSによる湖上の氷床流動速度は従来推定されていた値(3.0-4.2m/year,130-142degree)の約60%(1.98m/year,133.5degree)であることが判明した。floating zone上でのGPS上下変動には明瞭な潮汐変動が認められ、調和解析によると、O1,K1,M2分潮についてそれぞれ25mm,35mm,6mmの振幅を持つことがわかった。今後の課題としては、水平流動実測値を考慮し、InSAR上下変位を再評価するほか、気圧変化(NCEP,ECAMWFデータ)に対する氷床変形応答についてsimulationを行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koichiro Doi: "Response of Lake Vostok to atmospheric pressure change"IUGG2003 Abstracts. B. B20 (2003)
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[Publications] Anja Poetzsch: "Response of subglacial Lake Vostok, Antarctica to tidal forcing"Terra Nostra. 4. 263-264 (2003)
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[Publications] Jens Wendt: "Geodetic observations to study ice surface deformation in the area of the Vostok core location"Terra Nostra. 4. 338 (2003)