2002 Fiscal Year Annual Research Report
メソスケールでの森林生態系CO_2シンク能の推定方法の開発
Project/Area Number |
14580559
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Research Institution | Yamanashi Institute of Environmental Sciences |
Principal Investigator |
大塚 俊之 山梨県環境科学研究所, 自然環境研究部, 研究員 (90272351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 仁 山梨県環境科学研究所, 自然環境政策研究部, 研究員 (50342960)
杉田 幹夫 山梨県環境科学研究所, 地域環境政策研究部, 研究員 (60342961)
宮崎 忠国 山梨県環境科学研究所, 地域環境政策研究部, 副所長
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Keywords | 森林生態系 / CO_2シンク能 / 富士北麓 / リモートセンシング / 純一次生産量 / 土壌呼吸量 / メソスケールモデル |
Research Abstract |
本研究では、生態系のCO_2フラックスに関する生態学的データをグランドトゥルースとして、これに同期的なリモートセンシングデータを用いて、メソスケールでの特定地域の森林のCO_2シンク能を推定するモデルを作成することを目的としている。調査地域としてはなだらかな斜面で地形的複雑さが少なく、人為的及び気候的な原因によって様々な森林植生が存在する富士北麓地域を対象とした。本年度は対象地域のLANDSATデータと各樹木のスペクトル反射から樹種分類法に基づく植生タイプの分類をまず行った。次にこれらの植生タイプ分類を参考にメソスケールでのCO_2シンク能推定モデル開発のために生態学的調査サイトを設定した。調査サイトの設定に関しては、富士北麓地域は基本的に年代の異なる富士山噴火の溶岩あるいはスコリア上に成立した一次遷移上の様々な植生タイプがあることから、土壌及び植生の発達に伴うCO_2フラックスの変化を測定することがモデルの作成上重要と考えた。このような概念に華づいて1)本栖湖湖畔・露出溶岩流、2)剣丸尾アカマツ林、3)青木ヶ原ヒノキ・ツガ林、4)大室山麓落葉樹林の4箇所を調査地として設定した。1)のサイトについてはまだ詳細な調査を行っていないが、2)〜4)のサイトについては調査枠を設定して植生調査を行うとともに、リタートラップによる土壌への炭素供給量、土壌中の炭素量及び土壌呼吸量についての測定を開始した。基本的に植生の発達に伴って土壌中の炭素量及び土壌呼吸量も徐々に増加していくことが観察された。来年度は植物による純一次生産量と年間の土壌呼吸量の推定を試みて生態学的な手法によるCO_2収支データをまず提示する。またこれらのデータをグランドトゥルースとして、リモートセンシングによる植生分類や三次元構造の解析とともに富士北麓地域をテストケースとしたメソスケールでのCO_2収支推定のためのモデルを開発する。
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