2004 Fiscal Year Annual Research Report
水銀耐性鉄酸化細菌とその遺伝子導入株による汚染土壌からの水銀除去回収技術の開発
Project/Area Number |
14580589
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹内 文章 岡山大学, 保健環境センター, 助手 (90294446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 剛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033269)
上村 一雄 岡山大学, 農学部, 教授 (80294445)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / Acidithiobacillus ferrooxidans / 高度水銀耐性株 / 水銀還元システム / 水銀廃液 / 土壌浄化 / 固定化菌体 / ogrganomercurial lyase活性 |
Research Abstract |
自然界より単離した水銀耐性株Acidithiobacillus ferrooxidans SUG 2-2株を調製して得られた高度水銀耐性株MON-1株は,20μMの塩化水銀存在下でも安定に増殖可能であった。MON-1株の菌体をポリビニルアルコール製の坦体に固定化させ,バイオリアクター(2.5リットル)を用いて,塩化水銀を含んだモデル廃水による実験を継続して行った結果,水銀濃度40μMの場合に10日で100%の水銀をHg^0として気化回収できること,また本固定化坦体は連続使用が可能なことを確かめた。水銀汚染土壌をスラリー状にした系で,この担体を用いて水銀を気化回収することが可能なことを確認した。 ATCC株を含む11種類のA.ferrooxidansについて,0.1μM p-Chloromercuribenzoic acid (PCMB)を含む二価鉄培地を用いて増殖を調べた結果,MON-1株が最も強い耐性を示し,0.2μM PCMBを含む二価鉄培地でも増殖可能であった。さらに培地のPCMB濃度を段階的に上げることにより誘導した場合0.5-Mあるいはそれ以上のPCMB濃度まで増殖可能であることを確かめた。0.1μMのPCMB,酢酸フェニル水銀,メチル水銀を含む酸性水20mlに洗浄細胞1mgを添加した場合の水銀気化速度は,MON-1株が最も速く5日間で100%気化した。また誘導したMON-1株の洗浄細胞による有機水銀からの水銀気化活性は上昇した。MON-1株の可溶性画分を陰イオン交換カラムに供して得た各溶出画分について,無機及び有機水銀からの水銀気化活性をNADPH存在下で測定した結果,mercuric reductase活性,有機水銀分解活性をそれぞれ有する画分が存在することを確かめた。 本年度研究成果は,高度水銀耐性株MON-1株による水銀汚染土壌,水銀廃液の浄化システムに応用可能であることとA.ferrooxidansにorganomercurial lyase活性及の存在を強く示唆するものである。
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Research Products
(2 results)