2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580590
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大森 浩二 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教授 (10152258)
|
Keywords | 河川生態系 / 数理モデル解析 / 流域 / 健全性 |
Research Abstract |
16年度は、流域の土地利用と河川の健全性との関係について重信川水系で検討した。水生無脊椎動物群集について、密度の増加は付着藻類のChl a量によって説明され、また種数とEPT taxaはTOC量によって説明される結果を得た。重信川、石手川ともに密度は下流に行くに従い増加する傾向であったが、種数とEPT taxaは減少する傾向を示した。重信川において個体数の増加は、限定された種類の水生無脊椎動物群集によって占められていた。特に収集食者(コカゲロウ属、ユスリカ亜科、エリユスリカ亜科、ミズムシ属)がほとんどで、濾過食者ではコガタシマトビケラ属のみが増加傾向にあった。水生無脊椎動物の餌資源の安定同位体比分析から収集食者の藻類への依存度は下流に行くに従い上がることが分かった。このことから藻類の増加(Chl. aの増加)とともにこれらの水生無脊椎動物が増加したと考えられる。TOCとTOCの大部分を占めていたDOCでは果樹園の割合によってそれぞれ約23%、30%が説明された、果樹園の割合が高いほどTOC濃度を増加させる関係が認められた。また、POCは都市部の割合だけが59%を説明する結果となった。 果樹園や都市部の割合の増加が、TOCの増加を促し、結果として河川の水生無脊椎動物群集の構造的多様性=河川の健全性を低下させていることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)