2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580591
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
樋高 義昭 愛媛大学, 理学部, 教授 (80036417)
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Keywords | クロロベンゼン / 反応機構 / 素反応 / 反応中間生成物 / 速度定数 / 燃焼温度域 / ベンゼン / アセチレン |
Research Abstract |
ダイオキシン類生成の主要な反応中間体と考えられているクロロベンゼンの燃焼温度域での反応機構の解明を目的に研究を行った。マジックホール型衝撃波管を用いてアルゴンで大希釈した1%クロロベンゼン試料を加熱,反応させ,反応途中(加熱時間約1.5ms)で反応を停止させ、反応物(クロロベンゼン)そして反応中間生成物(ベンゼン、アセチレン、ジアセチレン、塩化水素、水素)を定性,定量し,加熱温度との関係を決定した。本研究の基では、クロロベンゼンの分解は、1300K以上の温度で確認され、1700Kでは完全分解している事が明らかとなった。クロロベンゼン-水素系、クロロベンゼン-メタン系、及びクロロベンゼン-ジメチルエーテル系の研究から、1300Kでクロロベンゼンの分解が始まり、クロロベンゼンの4倍量の水素添加した試料では分解が約2.5倍促進され、ベンゼン量の生成が増大した。しかし新規な生成物は確認されなかった。クロロベンゼン-メタン系の試料では1400K以上で、メタンの反応が促進され、生成物としそエタン、エチレン、アセチレン、ジアセチレン、ビニルアセチレン、ベンゼン、塩化水素以外にトルエンの生成が確認された。ジメチルエーテルを添加した試料では1300K以下でも、クロロベンゼンの分解が促進される結果が得られた。水素-酸素系にクロロベンゼンを添加した試料では1200K付近からクロロベンゼンが消費され、ベンゼン、アセチレンを生成することが明らかになった。クロロベンゼンはベンゼン(1600K以上で分解が確認された)に比較して、分解し難いが、クロロベンゼン-酸素系とベンゼン-酸素系の二酸化炭素の生成速度を比較してみると、生成速度に差異はほとんど認められない、特異な結果を得た。C_6H_5Cl→C_6H_5+Cl、C_6H_5Cl+H→HCl+C_6H_5、C_6H_5Cl+H→Cl+C_6H_6等の反応の速度定数を決定した。クロロベンゼンの燃焼反応では、C_6H_5+O_2→productの反応が重要であることの示唆をえた。
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Research Products
(1 results)