2002 Fiscal Year Annual Research Report
琉球列島における移入動物マングースの生活史、影響の現状および駆除方法に関する研究
Project/Area Number |
14580595
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助手 (10284960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 信夫 (財)自然環境研究センター, 研究主幹
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Keywords | 移入動物 / マングース / Herpestes / 捕獲方法 / 誘引 |
Research Abstract |
マングースの効果的な捕獲方法を開発するために、飼育下と沖縄島北部のフィールドにおいて各種の臭い物質によるマングースの誘引実験を行い、臭い物質の効果を調べた。 飼育下では、6種の揮発性脂肪酸、揮発性脂肪酸混合物、同種雌性尿、同種雄性グランドルアー(GL)、同種雌性GL、白色レグホンGLおよび蒸留水(対照物質)を臭い物質として設置した。各臭い物質の設置は、蒸留水以外は一日以上の間隔を置いて実施した。実験には沖縄島中部で捕獲したマングース雌雄各一頭を用い、臭い物質設置後6時間に臭い物質を中心とする6m四方および1m四方にマングースが入った回数と滞在時間を計測した。また、臭い物質を中心とする1m四方におけるマングースの行動を観察した。その結果、マングースは各種揮発性脂肪酸および揮発性脂肪酸混合物よりも、同種のGLに誘引される傾向にあり、同種のGLに対する1m四方におけるマングースの行動は、揮発性脂肪酸に対する行動と明らかに異なり、誘引効果が期待された。 沖縄島北部のフィールドでは、同種雄性GLおよび白色レグホンGLを用いた誘引実験を行った。利用したワナラインは低密度個体群が存在するSTライン上と大国林道南部である。臭い物質はワナエサであるスルメとともに5日間連続で設置し、2日間の休止期間を挟んでさらに5日間連続で、100mおきに連続で50ヵ所にわたって設置した。しかし、臭い物質を設置する前の捕獲効率と臭い物質を設置した期間の捕獲効率に差はみられず、マングースの誘引効果は認められなかった。また、揮発性脂肪酸混合物を設置したワナ25個のラインと設置しないワナ25個のラインを連続して設定し、両者の捕獲効率と経口的な捕獲のされ方を比較した。その結果、揮発脂肪酸混合物を設置したワナラインにおいてマングースの良好な捕獲がなされる傾向があったが、明らかな相違は認められなかった。
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