2004 Fiscal Year Annual Research Report
琉球列島における移入動物マングースの生活史、影響の現状および駆除方法に関する研究
Project/Area Number |
14580595
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小倉 剛 琉球大学, 農学部, 助手 (10284960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 信夫 日本女子大学, 文理学部, 教授 (80385377)
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Keywords | マングース / 外来種 / 根絶 / 沖縄島 / 移動阻止 / 誘引 |
Research Abstract |
マングースの効果的な根絶に向けて実用化を図るために,臭いによるマングースの誘引,マングースの移動を阻止する方法およびマングースにしか採餌できない餌箱について検討を行った。 その結果,臭いによるマングースの誘引効果の確認について,飼育下では揮発性脂肪酸が最も高い誘引効果を示し,屋外の捕獲実験では,生サンマがより広い範囲のマングースを誘引する可能性が示唆された。しかしながら,マングースをより遠くからより短時間に誘引するような劇的な誘引効果は認められなかった。 マングースの移動阻止方法の検討として,返しつきフェンス(1.コの字形と2.逆V字型),平面パネルつきフェンスおよびR型返しパネルつきフェンスを試作しマングースの行動を観察し逸脱の有無により形状を評価した。その結果,コの字形返しでは返し幅20cm,垂れ長さ20cm,高さ110cmの構造でマングースの移動を阻止できると考えられたが,人間活動への安全面で改良の余地が示唆された。逆V字型フェンスはマングースの移動を阻止できなかった。平面パネルつきフェンスでは,高さ120cm,パネル上端120cm,パネル幅30cmのフェンスが最も高い移動阻止効果を示し,R型返しパネルつきフェンスは,地上高120cm, R型返しの半径15cm*17cmの構造でマングースの移動を阻止でき,これらは安全性も高い構造で,実用化できると考えられた。 マングースにしか採餌できない餌箱については,数種類の形状を試行したが、他種の摂餌が完全に抑制できず,さらなる改良が必要であると考えられた。 以上の結果は,第九回国際哺乳類学会(2005/08開催)のシンポジウムと一般講演で発表し,学術雑誌に17年度内に投稿の予定である。
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