2003 Fiscal Year Annual Research Report
レッドデータ植物群落である大平洋側低地ブナ林の分布と保全に関する研究
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14580604
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
原 正利 千葉県立中央博物館, 環境科学研究科・主席研究員, 科長 (20250144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 隆 千葉経済大学, 短期大学部, 教授 (00269367)
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Keywords | ブナ / ブナ林 / 低標高域 / レッドデータ植物群落 / 太平洋側 / 花粉分析 / 阿武隈山地 / 分布データベース |
Research Abstract |
1 標本および文献等の調査によるデータベースの作成 昨年度作成したデータベースに、主に福島県、宮城県、岩手県の文献、標本情報を追加し407件の分布データベースを作成した。また、茨城県以北の常緑広葉樹の分布について、文献情報等を収集し、393件の分布情報データベースを新たに作成した。 2 分布および植生に関する現地調査 上記の分布データベースを参考に、3回にわたり、福島県中部・北部〜宮城県南部の阿武隈山地において現地調査を行い、12地点の毎木および植生調査データ、72点のブナ生薬サンプル、約200点のブナ乾燥標本を収集した。これらのデータは現在、データベース化と解析を進めている。 3 気候条件との対応の検討 上記1および2で収集蓄積した分布データに関して、メッシュ気候値を使用して、気候(特に温度)条件との対応について解析を進めた。ブナの分布下限標高は山塊ごとにかなり異なり、八溝山地の鶏足山塊、鷲子山塊において、従来、知られているよりも低海抜で温暖な標高域まで下降していることが明らかとなった。 4 花粉分析調査 太平洋側ブナ林の林内表層土の花粉組成をまとめた結果、ブナを優占種とする場合、ブナ花粉の出現率は樹冠の開閉度に応じて10〜70%の範囲をとること、一方、ブナ個体群が小さくなる筑波山系では、尾根上の樹冠が空いている生育地を持つことから樹冠の開閉度との関係は逆転する。また、アカガシなどの常緑樹の分布域と近接する場では、常緑の葉群によるブナ花粉の捕集作用と考えられるブナ花粉の堆積に片寄りが認められた。また、南那須町の約2万年前の花粉分析結果からはブナを含む針・広混交林の樹種の中にツガとコメツガが含まれており、冷温帯から亜寒帯への移行域の植生が推定された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 原正利: "ブナの分布と生態"林業技術. 10月号(No.739). 8-13 (2003)
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[Publications] 内山隆, 江上邦博: "太平洋側ブナ自然林の花粉分析学的研究"千葉経済大学短期大学部初等教育科研究紀要. 第26・27号. 55-72 (2004)
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[Publications] 江上邦博, 内山隆: "衛星画像を用いた広域植生図の自動構築手法の開発"千葉経大学短期大学部経営情報科経営情報論集. 第20号(印刷中). (2004)
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[Publications] 内山隆, 江上邦博: "北関東低地におけるブナ林の変遷について"日本花粉学会第44回大会講演要旨. 26 (2003)
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[Publications] 江上邦博, 内山隆: "北関東における衛星画像の植生パターン解析の試み"日本花粉学会第44回大会講演要旨. 24 (2003)