2003 Fiscal Year Annual Research Report
RNA高次構造解析用蛍光核酸プローブの開発とアンチセンス遺伝子破壊法への応用
Project/Area Number |
14580609
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 礼子 帝京科学大学, 理工学部, 講師 (90283697)
山岡 哲二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50243126)
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Keywords | アンチセンス / 蛍光プローブ / ピレン / 遺伝子機能解析法 / トランスクリプトーム / 遺伝子診断 / 遺伝子破壊法 |
Research Abstract |
アンチセンス遺伝子破壊法(以下アンチセンス法)は核酸化学に基づく新規概念の難病治療法として70年代に提唱され、現在100件に及ぶ臨床試験が主に米国で実施されるに至っている。また、アンチセンス法は遺伝子機能解析法としての有用性も近年実証されてきており、核酸化学と生命科学とを結ぶ技術として定着しつつある。しかしながら、アンチセンス法に用いられるアンチセンス核酸の分子設計は未だに試行錯誤の域を出ておらず、その確立が強く求められている。本研究はこうした状況を背景に、蛍光法を基にした分子設計法の確立を行った。具体的にはRNA特異的に検出する蛍光性核酸プローブの開発に成功した。本プローブはRNAと結合したときにのみ蛍光強度を増加させる性質を持つことから、B/F分離を必要としないRNA検出プローブである。制御対象とするmRNAに本DNAプローブを添加しても蛍光強度に変化が見られない場合、プローブが対象とした配列にプローブは結合していないことを示し、その部位はアンチセンス核酸の対象として適していないことを示唆している。即ちこのプローブは対象mRNA上の、アンチセンス核酸の対象部位を検索するプローブとして極めて有効であることを示した。さらに、本プローブのリン酸結合部位を改変し、細胞透過性を高めたプローブの開発も実施し、細胞内における蛍光挙動が対象mRNAに依存し、かつ配列に依存することを確認している。このことは、本プローブが細胞内におけるmRNA検出にも有効であることを示し、アンチセンス核酸のより実際的分子設計に有効であるとともに、細胞内mRNA動態解析(トランスクリプトーム解析)、遺伝子診断にも有効であることを示した。このようなプローブは世界でも例を見ない独自性の高いものである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Mahara: "Bispyrene-conjugated 2'-0-methyloligonucleotides as a highly specific RNA-recognition probe"Angewandte Chem.Int.Ed.. 41(19). 3648-3650 (2002)
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[Publications] 岩瀬 礼子: "ペプチド核酸(PNA)及びその類縁体からなる機能性人工核酸の合成と性質"有機合成化学協会誌. 60(12). 1179-1189 (2002)
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[Publications] A.Mahara: "Detection of acceptor sites for antisense oligonucleotide on native folded RNA by fliorescence spectroscopy"Bioorganic & Medicinal Chemistry. 11(13). 2783-2790 (2003)
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[Publications] N.Shimada: "Design of RNA-binding oligopeptides based on information of RNA-binding protein"Polymer Journal. 35(6). 507-512 (2003)
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[Publications] A.Yamayoshi: "Psoralen-conjugated oligonucleotide with hairpin structure as a novel photo-sensitive antisense molecule"Chem.Commun.(Camb). 21(12). 1370-1371 (2003)
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[Publications] T.Sakamoto: "Time-resolved luminescence anisotropy-based detection of immunoglobulin G using long-lifetime Ru(II) complex labeled protein A"Analytical Biochemistry. (印刷中). (2004)
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[Publications] 村上 章 (監修:堀尾武一): "分子細胞生物学 基礎実験法 改訂第2版 分担執筆 (585-591)"南江堂. 654 (2004)