2004 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性がんに有効な海洋産ピロールアルカロイドの化学合成
Project/Area Number |
14580612
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩尾 正倫 長崎大学, 工学部, 教授 (00100892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 勉 長崎大学, 工学部, 助手 (80295097)
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Keywords | 多剤耐性がん / 多剤耐性克服作用 / 海洋天然物 / ピロールアルカロイド / ラメラリンD / ラメラリンL / ラメラリンN |
Research Abstract |
これまでにヒンスバーグ型ピロール合成並びに鈴木・宮浦カップリングを鍵反応とする3,4-ジアリールピロールアルカロイドの一般的な合成法を開発した(Tetrahedron Letters,2003,44,4443)。本年度はこの手法をもとにラメラリンD,ラメラリンL,ラメラリンNの全合成を行った。 まず、鈴木・宮浦カップリングに必要な3,4-ビストリフラート誘導体は常法に従い合成した。またアリールボロン酸類に関して、ラメラリンのベンゾピラン部の構築に必要な4-イソプロキシ-5-メトキシ-2-メトキシメチルオキシフェニルほう酸はイソバニリンから、またラメラリン1位の構築に必要な4-イソプロポキシ-3-メトキシフェニルほう酸および3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニルほう酸はグアヤコールから合成した。 その後、4-イソプロポキシ-3-メトキシフェニルほう酸および4-イソプロポキシ-5-メトキシ-2-メトキシメチルオキシフェニルほう酸と3,4-ビストリフラート誘導体とのパラジウム触媒クロスカップリングにより3,4-ジアリールピロール-2,5-ジカルボン酸エステルを合成した。さらにジエステルの限定加水分解、ラクトン化、加水分解、脱炭酸、PIFAによる酸化的環化、DDQによる脱水素、BCl_3によるイソプロピル基の選択的脱保護を順次行うことにより、ラメラリンDの全合成を達成した。またラメラリンNの合成は4-イソプロポキシ-3-メトキシフェニルほう酸の代りに3-イソプロポキシ-4-メトキシフェニルほう酸を使用し、ラメラリンDと同様の合成手法を使用することにより達成した。ラメラリンLに関してはラメラリンNの合成経路からDDQによる脱水素の工程を省略することにより同様に達成した。 これらの成果については、第34回複素環化学討論会において報告した(要旨集:p.313-314)。
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Research Products
(2 results)