2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内収縮装置の形成における非筋細胞ミオシンIIの機能の解明
Project/Area Number |
14580637
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50241295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 道生 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50101134)
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Keywords | 非筋細胞 / ミオシンII / アクチン / 細胞骨格 / 細胞運動 / フィラメント |
Research Abstract |
今年度は主に非筋細胞ミオシンIIのin vitroでのフィラメント形成機構の解明を目的に研究を行った。その結果、ミオシンII尾部のフィラメント形成に必須の領域を特定することができた。さらにミオシン重鎖のC末端に存在するnon-helical tail pieceが自己認識能を有することを見出した。 ミオシンII重鎖MHC-IIBのC端領域の様々なフラグメントを大腸菌を用いて発現し精製した後、各フラグメントの溶解度のイオン強度依存性を測定することでフィラメント形成能を解析した。IIBのC端248アミノ酸からなるフラグメント(BL)がLMMと同等のフィラメント形成能を有したので、BLを基に様々な変異フラグメントを作製した。その結果、非筋細胞ミオシンIIにおいては二つの領域がフィラメント形成に必須であることがわかった。一つは、骨格筋ミオシンの解析から提唱されているAssembly Competence Domain (ACD)とよく似た配列を含む56アミノ酸残基からなる領域(nACDと命名)、もう一つはBLのN端35アミノ酸残基内の配列(nACDRと命名)である。 様々な長さのMHCフラグメントを用いてnon-helical tail pieceを含むプローブでブロットオーバーレイアッセイを行い、non-helical tail pieceが自己を選択的に認識できるかどうかについて検討した。その結果、IIA及びIIBのnon-helical tail piece共に自己認識能を有していることがわかった。さらに、相互作用のためのアフィニティーはIIAよりもIIBの方が強いことがわかった。また、non-helical tail pieceが好んで相互作用する領域は(1)で述べたnACDRのN端側の57アミノ酸残基内に存在することがわかった。以上の結果から、非筋細胞ミオシンIIアイソフォームはnon-helical tail pieceの自己認識能により相互作用を開始し、nACDとnACDRが静電的に相互作用することによりアンチパラレル型のホモフィラメントを形成するというモデルを提唱できた。
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