2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規コレステロール結合プローブを用いた細胞内ラフトの可視化システムの構築
Project/Area Number |
14580660
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
林 昌美 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・生体膜機能研究グループ, 研究助手 (00192279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 淑子 (財)東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・生体膜機能研究グループ, グループリーダー(研究職) (50111498)
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Keywords | コレステロール / ラフト / 可視化 / 脂質ミクロドメイン / 緑色蛍光蛋白質 / MDCK細胞 / コレステロール結合毒素 |
Research Abstract |
我々は、これまでに、コレステロールに特異的に結合する毒素(θ毒素)を改変、無毒化することによってコレステロールに特異的なプローブ(BCθ)を作製し、BCθが脂質ミクロドメイン(ラフト)中のコレステロール密度の高い領域に選択的に結合することを見いだしている。さらに、BCθが細胞表面ラフトの可視化に有用であることを明らかにしている。そこで、本研究では、細胞表面及び細胞内ラフトの同時可視化を目指して、細胞内ラフトの可視化系の構築を進めた。まず、θ毒素の構造-機能相関の解析から、毒素のC末端のドメイン(D4)がコレステロールへの結合能を担う部位であること、及びラフトへの選択的結合能を担っていることを明らかにした。この結果をふまえ、次に、D4と緑色蛍光蛋白質(Green fluorescent protein ; GFP)との融合蛋白質(GFP-D4)を作製して、その遺伝子を細胞内で発現させる試みを行った。作製したGFP-D4がD4と同じコレステロールへの結合特異性を保持していることを確認するため、大腸菌内でGFP-D4蛋白質を生合成させ、これを精製してその性質を調べた。その結果、GFP-D4はコレステロールに対する特異的結合能およびラフトへの選択的結合能を保持していることが確認された。そこで、次に、動物細胞内へのGFP-D4遺伝子の導入を行った。テトラサイクリンの除去で目的遺伝子の発現が誘導されるように設計されたベクターにGFP-D4遺伝子を組み込み、MDCK細胞に導入した。薬剤耐性を指標に遺伝子導入細胞を選択的に増殖させ、GFP-D4蛋白質の発現量の異なる幾つかのクローンを得た。現在、これら細胞株の解析を行っている。
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[Publications] Shimada, Y. et al.: "The C-terminal domain of perfringolysin O is an essential cholestereol-binding unit targeting to cholesterol-rich microdomains"Eur. J. Biochem.. 269(24). 6195-6203 (2002)
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[Publications] Terashita, A. et al.: "Lipid binding activity of a neuron-specific protein NAP-22 studied in vivo and in vitro"J. Neurosci. Res.. 70(2). 172-179 (2002)
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[Publications] Kokubo, H. et al.: "Ultrastructural localization of flotillin-1 to cholesterol-rich membrane microdomains, rafts, in rat brain tissue"Brain Res.. 965(1-2). 83-90 (2003)
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[Publications] 嶋田有紀子, 岩下淑子: "コレステロールから視た膜機能ドメイン-コレステロールを見分けるプローブの開発"生化学. 74(7). 547-551 (2002)