2002 Fiscal Year Annual Research Report
試験管中で自律的に進化するin vitro DNAウイルスの開発
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14580666
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
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Keywords | 進化工学 / 遺伝子型表型対応付け / in vitro virus / mRNA提示法 / ランダムペプチドライブラリ / 3SR / T7プロモータ / 進化リアクター |
Research Abstract |
(1)in vitro virus法の効率化 リンカーを工夫することによりウイルス粒子(mRNA-タンパク結合体)形成効率を改善した。今回のリンカーは、3'末端にピューロマイシンを結合したスペーサーをぶら下げた核酸オリゴマーがmRNAの3'末端にY字状にハイブリダイゼーションしたものである。このY字状の一本鎖部分の2つの末端をRNAリガーゼで閉じてヘアピンループにすることにより(Yライゲーションと呼ぶ)、ピューロマイシンとmRNAが共有結合で結ばれたものが形成される。この方法によれば、mRNAとリンカーは当量でも100%近く進行し、形成効率は従来法に比べて遙かに高い。また、in vitro virusのライフサイクルを1回回したところ、増殖率も従来法より高いことが確認された。また、コドンの出現頻度を自由に制御出来るようなDNAランダムライブラリーの作成法を開発した。DNA合成機を3台並列に運転してコンビナトリアル化学のスプリット合成を応用するMLSDS法である。従来法より高品質の初期ランダムペプチドライブラリーを構築できる。 (2)自律的進化系構築の準備:高温3SR法の安定化 3SR法は従来37℃の等温過程で行われてきたが、プライマーのハイブリダイゼーション特異性を上げるために高温で行うことが望ましい。今回は耐熱性T7RNAポリメラーゼを用いて50℃の等温過程で増幅する系を構築した。進化リアクターをエミュレートする継代植継ぎ実験にも成功した。ポイントは反応液に1.4Mトレハロースを投入することである。また、T7プロモータの50℃の最適配列をRNA-Z法進化リアクターを用いたin vitro selectionで求めた。37℃の野生型プロモータとハミング距離2だけ離れた配列であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Aita T.: "Surveying a Local Fitness Landscape of a Protein with Epistatic Sites for the study of Directed Evolution"Biopolymers. 64. 95-105 (2002)
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[Publications] Husimi Y.: "Correlated Flexible Molecular Coding and Molecular Evolvability"J. Biol. Phys.. 28. 499-507 (2002)
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[Publications] Kitamura K.: "Construction of block shuffled libraries of DNA for evolutionary protein engineering : Y-ligation based block shuffling"Protein Engineering. 15. 843-853 (2002)
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[Publications] Tabuchi I.: "An efficient ligation in the making of in vitro virus for in vitro protein evolution"Biological Proced. Online. 4. 49-54 (2002)
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[Publications] Aita T.: "Statistical Formulae for Energy Distribution among a Globular Protein Structure Ensemble"J. Theor. Biol.. 220. 107-121 (2003)
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[Publications] Aita T.: "An in silico exploration of Neutral network in protein sequence space"J. Theor. Biol.. 221(in press). (2003)
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[Publications] 伏見 譲(編集および分担): "シリーズ・ニューバイオフィジックスII第8巻「生命の起源と進化の物理学」"共立出版. 231 (2003)